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勇者様を召喚したら光り輝いてました  作者: 早々にフリーランス


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第675毛 スカルプ・リッチのタスカル・プラン 伝記の知見

レノア「……………」


イヴ「………むむむ……………」チラッ



スカルプ「……………」



レノアは目を閉じる。


ス「……………」



レノア「…………………スカルプ様」パチッ


ス「! はい」



レノア「…確認です。貴方様は、ラックス様の『現状』を心配している。そしてそれは、エルター様やシャカ様が、貴方様へお伝えしていない内容と関係がある、とお考え故、シャカ様等へ直接、尋ねに行く事を希望されている…という形で、お間違いないでしょうか?」


ス「……はい」



レノア「………わかりました。………我々ボタニストが現在知る情報も、そこまで多くありませんが、お伝え致します」



ス「! ありがとうございます!!」



レノア「…まず、肝心のシャカ様ですが、そもそも神出鬼没のため、基本的に所在は掴みにくい御方です。また、現在はテンカイに拠点があるようですが、情報によると、そこにも暫く戻られていないようです」


ス「!! ……そうですか………」


レノア「はい。そのため、シャカ様よりは、他の2名がよろしいかと思うのですが、そのうちの黒猫様は、残念ながら『死の神』のもとへ導かれました」


ス「!! ……と、いうことは………」


レノアは目を伏せる。


レノア「…はい。死をお迎えになったようです。この件に関しては、現在調査をしております」


ス「……そうですか………あの黒猫さんが………」



イヴ「エルター様の件とは、関係がないという見立て。スカルプ様、落ち込むことはない」ヨシヨシ


ス「! ぁっ……ど、どうも……」



レノア「…して、残りの1名。…1羽と言った方が良いかもしれませんが、彼女は存命であり、現在『オニガシマ』を根城にしている模様です」



ス「!!オニガシマ……ですか」


レノア「………はい」


イヴ「……………」



ス「………オニガシマ……マカイとの『ハザマ』ですが…一応、足を踏み入れる事は可能でしたよね…?」


レノア「……可能か否か、で言えば、可能です。……ただ、あの場所の主は、基本的に『訪問』ではなく『受け入れ』を望みます」


ス「!! と、いうと……」


レノア「はい。オニガシマへ訪れるものは大きく分けると3つ。迷い込んだ者、興味本位の者、そして『セカイに行き場のない者』です。オニガシマの主は、その『行き場のない者』へは非常に寛容ですが、それ以外は、『場を乱される』とし、非常に冷徹に振る舞う傾向にあります」


ス「……………」



イヴ「たまに、オニガシマへ逃げ込んだ犯罪者を捕らえるため、主と接触しようとしても、だいたい拒絶される……悲しみ………」


ス「……………」



レノア「………スカルプ様……………」



ス「…エルターが昔読んでいた書物に、あのウサギさんらしき御方が出てきた気がするのです」


レノア「!」


イヴ「むむ? 急に何の話??」


ス「ああ、すみません。…その書物は『不可思議の国のアルス』というもので、いたいけな少女が『大きなウサギ』に導かれ、異世界へ迷い込む話でして……エルターはよくそれを読んでいました。…ある時、聞いてみたのです。不思議な話が好きなのかい、と」


レノア「………」


ス「…エルターは一瞬、ピクリと肩を震わせたあと、はにかむように笑いながら『懐かしい気がしてね…』と、話してくれました。多くは語りませんでしたが、『なんだか、かつての友人を思い出す』と、目を細め、遠くを見るように………」


スカルプもまた、エルターとの話を思い出すように、遠くを見ながら目を細める。



ス「……エルターはきっと、その方……『その書物の元になった御方』がいるとしたら、見知った仲なのでしょう……。かつては、馬鹿な想像だな、と、自分で自分を一笑に付していましたが、今となっては………」


スカルプは改めて、レノアを見る。



ス「これは私の『勘』でしかありません。それを敢えて口に致します…。あの書物は、オニガシマを題材にしたもので、おそらく、オシャカ様とともに来てくださったウサギさんは、書物の元となったウサギさんか、それに近しい御立場かと思っています。ならば、『オニガシマ』自体、エルターを……そして『ラックスに宿るナニカ』について、知っている気が、するのです」


レノア「……………」 


スクッ



イヴ「!!」




ス「色々と貴重で、おそらく秘匿であろう御情報を共有いただき、ありがとうございます。…多少不安はありますが、家族が…何より、当のラックスが頑張っているのです。父として、手をこまねいているわけにはいきません!」



イヴ「………スカルプ様……」



ス「…そろそろ、モイスチャーさんもお戻りになりますかね。 戻られたら、ネイチャー王国にて支度と、関係者への説明をする必要があるな……。では、御二方、本当にありがとうございました。これにて、いったん失礼致します」



スカルプはそう言って



踵を返そうと………









?「…なるほど。御事情はだいたいわかりました」










ス&イヴ「!!!?」ビクッ







室内の



何もない場所から



声が聴こえる。





レノア「…着きましたか。念話での、急な呼び立てとなり、申し訳ありません」



レノアは




その『何もない場所』に向かって


話し掛ける。




イヴ「!!この声は……そういうことか!!」


ス「え……え!?」




一人混乱するスカルプに




?「すみません。『スキル』の試しもあり、勝手ではありますが、こっそりとお部屋にてお話を聴いておりました」





スゥ………






ス「!!………き、君は………」





何もない場所から





輪郭が見えてくる。






そこに居たのは………

















ジン・モウ「お久しぶりです。スカルプ様。先日は、兄、ウィッグと、亡きヒルデの件で、大変お世話になりました」




『カミカクシ』を持つ希少者、ジン・モウが微笑んだ。

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