第663毛 ヘラ・ルージュのドキドキ♡観察日記 異世界について
…
……
………
異なる世界から
誰かを
ナニカを
呼び出す。
私達のセカイは
そうやって何度も
過ちを繰り返してきた
でも
いつも
今度こそは
次こそは
と
息巻いている
くだらない
セカイを守るなら
視野を広くもつべき
そう
勇者召喚なんて………
女神ハテナ「なーんかね、色々観察してるとさ〜、だいぶ可哀想な運命というか、悲劇の環境にいる子達もたくさんいるんだよね〜」パクパク ムシャムシャ
ヘラ「……………」イライラ
ハテナ「アタシさ〜、どうせ誰かを呼ぶなら、薄幸な子じゃなくて、こう…屈強で、何者にも何事にも動じないようなおヒトが良いな〜♡♡♡ほら、どっかの世界の言葉で…『ヒーロー』とかいうやつ!♪♪♪」ズズ… ガツガツ…
ヘラ「……………」イライラ
ハテナ「実はね、もう目星はつけてるの!!♡ なんか他とは違う雰囲気があって、滅多な事じゃへこたれなさそうな殿方♡♡名前はね〜」
ヘラ「…っおい!!」
ハテナ「いやんっ! びっくりしたなぁ〜なに??」
ヘラ「っなにじゃない!!なぜ私の部屋にいる!!なぜ聞いてもいない事を喋っている!!それにお前が飲み食いしているのは私のだ!!」ゴゴゴゴゴ
ハテナ「え〜♡アタシとヘラちゃんの仲じゃ〜ん♡♡ そ・れ・に♪♪ ヘラちゃんだって、気になってはいるんでしょ?? 異世界のこと♬」
ヘラ「そんな仲になった覚えはないし、気になどなっていない!!早く出ていけ!!」メラメラ…
ゲフッ
ハテナ「え〜?? つれないな〜♡ ヘラちゃんだからこそ、気になると思ったんだけど……ほら、『理不尽な目』にあってる子たち、沢山いるよ?? 見てみなよ~」
ヘラ「っ………私には、関係ないっ!!いいから出ていけ!!」プンスコ
ハテナ「え? いやいや、もうひとつ食べたいな〜」ヒョイッ
ヘラ「ふざけるな!!」バッ
ハテナ「やーん♡♡♡」
…
……
まったく…
アイツはなんなんだ…
………
異世界
そんなものに頼らなければならない程
私達の世界は
落ちぶれていない
…
……
理不尽…
ふん……
くだらない………
私には
関係ない
私には……………
ベル「……うぅ……グスグス………」
ヘラ「……………今度はなぜ泣いているの?」ザッ
ベル「! ヘラ様……それが………」
ヘラ「?」
ベル「ある『勇者候補』が、亡くなられたようで……」
ヘラ「!?」
ベル「私は、又聞きなのですが……勇者を選定するため、異世界をミテいた神様によると…とてもお優しく、芯が強い御方がいたようで……ですが……ッウ………」グスッ
ヘラ「………」
ベル「…その世界では『老齢』な者を、『理不尽』な暴力から庇い、亡くなられたようで………ウッ……ウウッ………」グスグス…
ヘラ「……………なぜ、アナタが泣いているの?」
ベル「っす…すみません……やはり……見知らぬ御方であっても………そんな……そんな最期を聞くと……………」グスッ
ヘラ「……………」
ベル「…グスッ………その世界でも、『死の神様』が、お優しい事を……願うばかりです……貴方様のように………」
ヘラ「っ!! なにを………」
…
……
未練のある御魂
後悔のある御魂
彼等の『救済』に
口を挟むべきではない
ただ
口を挟めるのは
…
口を挟めるのは……………




