第658毛 己
ヘラ「……………シャカ」
シャカ「ん?」
ヘラ「………どのみち……私は……長居するつもりはない…。『決断』できないのなら……他をあたる」
シャカ「ん〜そっかそっか☆ まっ、ルージュお嬢様程のお立場の者がずっと居たら、まぁ『理の上でも大変』だよね〜♪ 気持ちはわかるよ」
ヘラ「……………」
シャカ「…ってなけだからさ、ワラっち………」
刹那
フワッ
シャカ「!」
ワラ「………〘如何なる事象にも、確固たる意志を〙……『万別の時忘れ(オールマイト・ドライフラワー)』」
フォン………
パァァ………
……………
ベル&エリー「「!!」」
シャカ「お? そっかそっか〜〜☆☆☆」
ヘラ「……………」
ワラ「……………シャカ様。ひとつ、お聞かせください」
シャカ「ん?」
ワラ「………我々…天使は………どういった存在感であるべきでしょうか? ……その……天の使いらしく……在るべきでしょうか??」
シャカ「ん〜? ん〜………ルージュお嬢様、どう想う?」クルッ
ヘラ「!? ………なぜ、私に聞く……………」
シャカ「いやいや、だってさ、お嬢様が依頼したんじゃ〜ん♡♡ ね〜♪ 何か御言葉をかけてあげなよ〜♬♬♬」
ヘラ「……っ………。……………」
ワラ「…ぇっ………(オシャカ様にお聞きしたのに………)」アセアセ
ヘラ「…………………………」
ヘラは
ジッと
ワラエルを見る。
ワラ「……………」ドキドキ
ヘラ「……………」
シャカ「……………♪」
ヘラ「……貴方達天使は…天の使い…。それに、不満があるの?」
ワラ「! …………」
ヘラ「……………」
ワラ「……天使は、神々の御言葉、神々の御意志を、そのまま地上界リーブへ伝えるために生まれた存在である事は、理解しています………。……しかし………」
ヘラ「………」
ワラ「……正直……神々の御意志……御決断の、神意(真意)が、分かりかねる時があります。…そもそも、分かろうとする事自体が、おこがましいのかもしれませんが………」
ヘラ「………なぜ?」
ワラ「……え?」
シャカ「! (おっ♪) 」
ヘラ「…貴方達は…天の使い。神の使いでは、ないでしょ?」
ワラ「!!!!」
ヘラ「…天界が3界のひとつとして在り続けるために、貴方達は必要。それは、神であれ、天使であれ、同じこと。天を天として保ち続ける存在である貴方達が、自らの意志を言わないなんて、それこそ『天罰』に値すべき……」
ワラ「………ヘラ様……」
シャカ「ん〜♡ やっぱりルージュお嬢様は良いね〜♪♪ ワラっち、そこを葛藤してるんなら、『余計な気苦労』だ。導きたがりの、己の意を通そうとする神は確かにめっちゃいるけどさ、ソイツらもしょせん、天を形創るための1要素でしかないんだよ☆」
ワラ「…………私達は………私達が…従うのは………」
シャカ「『己』だね」
ワラ「!!」
シャカ「天の使いってのは、『役割』でしかない。『役割』と『生き様』をごっちゃにしちゃいけないよ♬ ま、同一のヤツもいるけどね〜♪♪」
ワラ「……………」
ああ
みんな
大切な大天使のみんな
袂を分かつことになったとしても
わ…ボクは…
ボクは………
ワラエル「………ありがとう…ございます。『万別』の大天使ワラエル、自らの『意志』により、元不死者エルター・リッチ様にチカラを行使し、悠久の事象から御守り致します」
ヘラ「……………」
シャカ「うんうん♡ ありがとね〜〜♬♬」
ベル「………一件落着……でしょうか??」
エリザベス「…そのようですね……」
…
……
………
そして
ヘラ・ルージュ、ベル、エリザベス、ワラエルが
各々の『意志』のもと
やるべき事のため
その場から離れる。
シャカ「………」
シャカはひとり
エルターの墓の前に佇む。
シャカ「………エルたん……。君は今、どこに居るんだい?」
エルターの墓に向かって、シャカは優しく語りかける。
シャカ「……君が願ったもの、繋いだ想い、見守っていくよ。……たださ、君は君として、まだまだやりたいことをやるべきだ。だから…」
リンッ
シャカ「…その時が来たら、必ずまた会おうね」




