第649毛 産声
レノア「…っ……もう……少しなのですが…」
シャカ「っ……だめだ…!! このままだと………死産になる……」リンッ
レノア「………っく………」
シャカ「………(『御伽噺』のアリーガールを呼ぶか…あるいは、死の神と交渉か………)」
スッ
シャカ「!!!!」
エルターは震えながら右腕をあげ
シャカへと手のばす。
シャカ「エルタん!?」
エルター「……シャカくん……いろいろ……と……ありがとね………君の…お…かげで………私は…」
シャカ「っ……なに言ってんのさ☆ 君が家族と『添い遂げる』までは、感謝は受け取らないよ♬だから、もうす…」
エルター「シャカくん…」
シャカ「っ…」
エルター「………皆さん…も……ありがとう………そして……………」
エルター「……この子………キュレルを………頼みます………」
レノア「!?」
イヴ「?? …なにを………」
ハヤメ「…がっ、がんばるのですエルターさ……!?」
ニコッ
シャカ「!!!!まさか………だめだ!!!!!!」
エルター「………この子は生きる。私の…分まで……………」スゥ…
エルター「……………『入れ替え』」
…
……
………
バンッ
スカルプ「エルター!!お医者様が到着したよ!!」
ラックス「母上!!!!」
医者「お気持ちはわかりますが、静かに開けるべきです」
ス「! 失礼しました……。エルター、無事………で……………」
オギャァ
オギャァ
オギャァ
ス&ラ「「!!!?」」
医者「!? まさか………」
オギャァ
オギャァ
オギャァ
レノアに抱えられたその子は
元気な産声を上げている。
ス「……!!おぉ……キュレル………無事に……」グスッ
ラ「………!!………キュレル………俺の………いも…うと………ハッ!! 母上っ!!母上ご無事ですか!?」
ス「!!エルター!!」
スカルプとラックスは
医者の制止も耳に入らず
エルターのもとへ駆け寄る。
エルターは
優しく微笑みながら
目を閉じている。
ス「エルター!! ……気力を使い果たして、眠っているの……か………」
ラ「は、母上………!?」
ツカツカ…
医者「失礼」
ス「!!」
主治医は、エルターの容体を調べ………
主治医「………何があったかは今から伺いますが………呼吸も浅く、脈も僅か………これは、お覚悟された方がよいでしょう」




