第639毛 エルターズ・オリジナル.23 大好き
……………
ベル「!!」
エリー「!?」
エルター「………え!?」
ヘラ「……………今、ここで…私の前で、宣言しなさい。『不死を捨てる』と。『理から外れる』と」
エルター「……ぇ……でも……それは……」
ベル「ヘラ様!! まさかっ………」
ヘラ「ベル!!」キッ
ベル「!!」
エリー「…? ……………………」
ヘラ「さぁ不死者。あなたは、覚悟があるのでしょう。なら私に、示して見せなさい。強く、強く、ミタマ(この場合、心)の底から、想いを吐き出しなさい」
エルター「……………」
ヘラに促され
エルターは
………
エルター「………私…私は………不死を、捨てたい…永遠の生命なんてっ……いらない!! 私は…私は、スカルプと一緒に生きたい!!限りある生を、生きたい!!!!」
ボゥ…
エリー「………!?」
『不死者』の周りが
ボヤけ始める。
ベル「っ………(これは……ヘラ様………)」
ヘラ「……もっと強く!!『限りある生』を願いなさい!!!!」
エルター「!!私は、生きたい!!一生というものを知って、スカルプと……想い人と、共に生きたいの!!」ハァ…ハァ…
ボゥ…
ボゥ…
ヘラ「あなたは何者になりたいの?」
エルター「私はっ………リーブの民になりたい!!」
…
……
………
ブワッ
エリー「!!!!」
例えるなら
雨がさっと止むような
不意に光が差し込むような
そんな
『ふとした感覚』が
セカイへ
拡がる。
ミダレ・サスーン「!!………そっか………不死者………いや、エルター………あなたは………」
ジャック・サンセイ「!!!!………まさか………あの御方のもとで……………」
…
……
………
エルター「…っ………ハァ……ハァ………??? ………ヘラさん………こ、これに、何の意味が………」
ベル「……………」
エリー「………何か、感じませんか??」
エルター「ハァハァ……え?? ………何かって……………。……………。……えっと……特には……なんか、息が少し苦しいくらいで………」
エリー「…息が、苦しいのですか?」
エルター「う、うん………あれ? そういえば、こんなに苦しくなったことは………」
ヘラ「…あなたは、もう『理の神』ではない」
エルター「!!!? え!?」
ヘラはジッと
エルターの全身を見る。
ヘラ「……………ベルと同じ……。あなたは、『チカラ』を放棄した。もう、あなたは………『不死』ではない」
………
エルター「……………え?」
ヘラ「…『チカラ』を放棄することは、存外難しくない。『チカラ』とは、万物のナガレそのものとも言える。そこに意思がのり、統治者ができ、『チカラ』を操る事ができる。『チカラ』と『操り手』は、本来別のもの…」
ベル「………」
エリー「………(知らなかった……)」
ヘラ「…例外として、ベルやあなたのような『大きなナガレ』から来るチカラは、同じように『大きなナガレ』から来るチカラの操り手のもとで、放棄を示す必要がある。これは、遥か昔、『ナガレ』の操り手が定めた、古の掟………知る者は、少ない」
エルター「……ぇ……それ…じゃぁ……私は…」
ヘラ「……………もう、あなたは『不死者』ではない。永遠の生命は、ない。あるのは、限りある生命。限りある選択………」
ジワッ
ヘラ「………」
エルター「………ぁあ………わたし……私は…………ニンゲンに……………」
カタッ
ベル&エリー「「!!」」
…
カランカラン……
『彼女』の顔から
仮面が落ちる。
ベル「………アワワ………///」←美人過ぎて狼狽
エリー「…………」←絶対態度に出さない
エルター「……………わたし………」
ヘラ「………『理の神』の役目は、終わった。……あなたを隠す仮面は、必要なくなった。……………もう、同じ存在ではな…っ!?!?」
ガバッ
エルター「っ…ありがとう…ありがとう!!!!…ヘラさん、大好きだよ!!」ギュッ
ヘラ「っ……! ……っはっ……離れろっ……! …///」ジタバタ
エリー「………(なんて珍しい………)」
ベル「………グスッ……」←泣き虫
エリー「………」チラッ
ベル「………」ズビズビ…
エリー「…感受性が随分と豊かですね黒猫ベルさん」
ベル「……アナタは…随分と能面ですね………仮面でもつけてるんですかウサギさん??…グスッ」プイッ
エリー「大きなお世話です」プイッ




