表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者様を召喚したら光り輝いてました  作者: 早々にフリーランス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

639/709

第636毛 エルターズ・オリジナル.20 リッチ

……………


スカルプ「…ふぅ。まだまだ………」


工場長「スカルプくん」


ス「!! 工場長!!お疲れ様です!!」バッ



スカルプは即座に深いお辞儀をする。


工場長「ああ、お疲れ様。楽にしていいよ」



ス「はいっ!!ありがとうございます」シャキッ



工場長「………フッ」



ス「?」



工場長「スカルプくん。君は、とても熱心に仕事をしてくれるね。頼りにしている」


ス「! ありがとうございますっ!!」


工場長「ハハハ。……だが、ね」


ス「え?」



工場長「……もう少し、肩の力を抜いても良いんだよ」


ス「………と、いうと??」



工場長「君、同僚との付き合いは、殆どないだろう? いや、真摯に仕事をしてくれている事は、もちろん有り難いのだが、こう……羽根を伸ばすというか、『楽』になるよう振る舞うことはしないのかい?」



ス「……………工場長」


工場長「うん」



ス「……ボ…私にはふたつ、夢があります」


工場長「夢?」


ス「はい」



スカルプは、真っ直ぐに工場長を見ている

ようで

それよりも遠くを見ているかのように話し出す。




ス「…私は、親に捨てられました。…その後、『在る出会い』があり、教会の方々が保護をしてくれて、今の私があります」


工場長「…そうだったね」


ス「はい。身寄りのない私ですが、今は、周りの方々に支えられて、生きる事が出来ている。本当に、感謝しています。…そして、私は……愚かに聞こえるかもしれませんが……私と同じ境遇や、あるいはもっと…お辛い状況にある方々に、できる限り手を差し伸べたいと思っています」


工場長「……なるほど…」


ス「…色々な手段があるかと思いますが、私は……やっぱり、自分自身文字通り『余裕』がないと、十分な手助けというのはできないと考えます。そしてその『余裕』は、金銭的な部分もしかりです」


工場長「……………」


ス「決して『お金が全て』と言っている訳ではありません。 …ただ、手段があっても、行使できる『余力』が無ければ、意味がない。いくら気持ちで『助けたい』と思っていても、そのチカラが無ければ変わらない。ですから私は、自分のチカラのある限り、仕事をして、お金を稼ぎ、真の意味で『裕福』になりたいと思っています」


工場長「………そうか……そこまで……」


ス「生意気に聞こえるかと思いますが…」


工場長「いいや。立派な事だよ」


ス「!」



工場長「…何だかがむしゃらに、なりふり構わず仕事をしているように見えたから心配だったが、そうか……。自らの境遇を糧に、そこまで考えているのは、素晴らしい事だ。…君は、真の意味で『リッチ』になれる気がするな」


ス「リッチ??」



工場長「ああ。『裕福』『至福を肥やす』という意味らしいが、これは単に『私利私欲の富』を指すわけではないらしい。それこそ、君が言ったような『他者に手を差し伸べるための裕福さ』が、真の意味だと私は思うな」


ス「………リッチ……ですか………」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ