第626毛 エルターズ・オリジナル.10 エリート
……………
ミダレ「♪」テクテク…
エルター「……………」テクテク…
エルターは、ミダレに連れられ、『オニガシマ』内の山林部を歩いていた。
エルター「…あ…あの……ミダレ…」
ミダレ「ん?」
エルター「………どこに向かっているんだい??」
ミダレ「ん〜、向かっていると言うよりは、『探している』かな〜」
エルター「え??」
ミダレ「でも多分そろそろ……あ!!」
エルター「!?」
ミダレが見ている方向にエルターが顔を向ける。
すると
ピョコッ
エルター「!?あれは………」
一羽のウサギが、木の陰から顔を出す。
ミダレ「み〜っけ♪ ウサギさん、ミダレだよ〜♡」タッ
ミダレがウサギに駆け寄ると、ウサギは逃げず、寧ろミダレに近づく。
エルター「………???」
ウサギとミダレが完全に近づくと、ミダレはウサギを見る。
ミダレ「……君は〜………まだ『日が浅い』かな?? まぁでも、なかなか立派だね♬」ナデナデ
ウサギは、ミダレにアタマを撫でられ、気持ちよさそうに目を瞑る。
ミダレ「よしよし、君、『エリーちゃん』を呼んでくれるかな??」ニコッ
エルター「? エリーちゃん……??」
ミダレの問いに、目を開けたウサギは、一歩後退し、鳴き始める。
キュウ
キュウ
キュウ!
エルター「………??? ミダレ……これは………」
ミダレ「うん♪ 不死者、『理を覆す』情報が欲しいんでしょ? そのために、ウチの仲間の『仲介』に、『情報屋さん』を呼んでもらおうと思って」
エルター「!!」
キュウ
キュウ!キュウ!
キュ…
!!
ガサ…
ガサ…ガサ…
ザッ
エルター「!!」
ミダレ「あっ、良かった〜♡ 意外と近くにいたみたいだね♪」
???「………呼んだのはアナタか……ミダレさん」
ミダレ「うん♡ 久しぶりだね〜エリーちゃん♡」
エルター「!! (ウサギが……喋っている………)」アワアワ…
最初のウサギより二回りほど大きい
緑の目を持つ純白のウサギが
ちょこんと現れた。
………
エルター「……え……ええと………」
ミダレ「アハハ♡ 不死者が混乱してる〜♪♪」
エリーちゃん「……………」
ミダレ「この子はエリー…『エリザベス・ラ・ビート』ちゃんだよ。仲間うちからは『エリートうさぎ』ちゃんって呼ばれてるの♪」
エルター「…エリート…うさぎ…さん?」
エリートうさぎ「………はじめまして……不死者様」ペコリ
エルター「! あ、ああ、丁寧にありがとう! はじめまして!」ペコリ
ミダレ「アハハ♬ どっちもかたいね〜♪♪ とりあえずエリーちゃん、来てもらったのはね、『ふたつ』、お願い事があるからなの」
エリー「はい、お聞き致します」
ミダレ「ありがとう♪ まずはね、『情報屋(記録者)』のジャックさんを見つけてほしいんだ」
エルター「!! え!?」
エリー「……承知致しました。今すぐにですか?」
ミダレ「うん♡」
エルター「ち、ちょっと待ってくれ! その……情報屋(記録者)の彼は、君のところ(オニガシマ)に居るんじゃないのかい??」
ミダレ「あ〜、居るには居るんだけどね、彼は色々と『例外』なの」
エルター「例外?」
エリー「…お話中失礼しますが……見つかりましたよ」
ミダレ「おぉっ♡ ありがと〜♡♡」
エルター「!? (いつの間に………)」
ミダレ「それで、ジャックさんは…」
ジャック・サンセイ「おや、なんだか不思議な集まりですね」
エルター「!!!?」ビクッ
エリー「……………」
ミダレ「! も〜背後から話しかけないでよ〜びっくりしちゃったじゃん〜」クルッ
ジャック「それは失礼致しました。乱されました?」
ミダレ「このアタシがミダレるはずないでしょ〜!!」プンッ
ジャック「そうですか」ニコッ
エルター「………ぁ……あの………」
ジャック「おっと、いきなり後ろから話しかけた挙げ句、貴方様を差し置いて話し始めてしまい、失礼致しました」
ジャック「元『記録者』のジャック・サンセイと申します。以後、お見知り置きを」
黒い服を来た細身の男性が、丁寧にお辞儀をした。




