第623毛 エルターズ・オリジナル.7 決意/熱意
……………
それから
時が経った。
スカルプは
教会の者に連れられ
時折
私のもとへ来てくれた
出会った頃より幾分も顔色が良く
すくすくと育っているようで
なんだか
安心したような
すこし
寂しいような
……
やっぱり
私が居なくても
生きていけるんだな
そう
思うと
どこか
ミタマ(この場合、心)に穴が空いたようで
…
スカルプ「エルターさんは、その……誰かを、好きになったりは、しないのですか??」
エルター「!?」
最近は
教会の支援のもと
一人暮らしをしているというスカルプが
開口一番に切り出す
エルター「…なにを、言っているんだい………私は…」
スカルプ「貴方様が、偉大な存在だと言うことは、もう、分かっています。私達リーブの民とは、違うと言うことも………。ですが、それでも………その………気になって、しまうのです…」
エルター「………スカルプ……」
モジモジするスカルプの様子をミテいたエルターは
ふと
『想像』する。
それは
スカルプと生き
子を宿し
限りある生を謳歌する未来
しかし
それは
そんなことは……………
エルター「………スカルプ」
スカルプ「…はい」
エルター「君は…リーブの民でいう、間もなく成人を迎える年齢なのだろう?? 君のような好青年であれば、その…私なんかではなく、もっと…君にふさわしい、君と『共に生きていける』伴侶がみつか」
ス「いいえ」
エルター「!!」
スカルプは、エルターを真っ直ぐに見つめる。
スカルプ「僕がミタマ(この場合、心)の底から美しいと、共にいたいと想うのは、貴方様だけです。…これは、初めてお会いしたときから、決して変わりません。貴方様とともに過ごせないのであれば、僕の生に、意味などありません」
エルター「…っ……スカルプ………それは………」
ス「分かっています…」
スカルプは目を伏せる。
ス「…貴方様と僕とでは、立場も、『感じている時の重み』も、違うということを……。ただ、それでも………そうだとしても、僕の生のなかで、貴方様を感じていたい……エルターさんと少しでも、一緒に居たいのです」
エルター「………スカルプ……………」
エルターの困惑した声色を聴き、スカルプは慌てて顔を上げる。
ス「………すみません…想いが暴走、してしまいました………。ええと、特定の存在と、深く関わるのも御法度でしたよね?? 申し訳ございません……。今日は、これで失礼しますね!」
スカルプはそう言い残し
足早にその場を離れた。
…
……
エルター「………誰かと………共に………」
『いつものように』ひとり
その場にいるエルターは
ふと
考える。
エルター「………私が、もし………『限りある生』を持てたら………。『不死』では、無くなるとしたら……………」
エルターは思考する。
エルター「……………知識が、ほしい……。手段ご、ほしい………。……もう、ひとりは寂しい………。……………知識を……『情報』を……………」
そうして
彼女は
ある『決断』をする。
エルター「………確か……立場を追われたもと『記録者』が、オニガシマにいたような………名前は……………」




