第574毛 人格
現在
カリブ(ラキ)の部屋にて
ラキ「…と、いうわけです」
アリガトネ「………」
この部屋での出来事(ハンズ・ラビリンス内を含む)を、アリガトネはラキから聴く。
ラキ「今後、必ずこの勇者シゲル様一行は狙われる。それこそ、エクステちゃ…さんを狙った存在や、それに近しい奴らからね。そのためには、過去の克服も含め、色々と準備しておく必要があるんだよ」
アリガ「………」
シゲル「失礼。ラキ氏」
ラキ「あっ、はい。なに?」
シゲル「今、問う内容ではないかも知れませんが、なぜ、エクステの呼び方を『ちゃん』から『さん』に変えたのですか?」
コーデルワイス〘…確かに……〙
ラキ「…ぁ~…ごめん、あからさまだったよね…ええと、いや、ちゃんでも良いかな、とは、思うんだけど…」
シゲル「?」
ラキ「う~んと、彼女がこの後『覚醒』したらね、万が一の場合なんだけど…『人格』が変わるかもしれないんだよ」
ヨル「!?え!?」
シ「!!」
ラキ「…いや、ちょっと違うか…。説明が難しいんだけど、彼女も、ヨルさんみたいに、元々は別の場所で、別の事をしていた面があるんだよね。…その時は『テーセウス』として、行動していたんだけど…」
シ「…テーセウス…」
ラキ「シゲル君は、神話とかに詳しそうだから、何となくわかるかな?」
シ「…私たちの世界の神話と結びつけるなら…何となくは…ですが…アリガトネ氏…様の存在も…」
パンテーン「え??」
アリガ「……」
ラキ「さすがだね。話を戻すけど、もしそうなった場合、そのテーセウスさんにボクは昔、色々とお世話になったからさ…ちゃん付けはまずいかなって…」
アーデランス「……ぇ…それって…もしかしたら…今のエクステさんが…『消えちゃう』って事ですか?? そ、そんな…」
ラキ「…厳密には…」
アリガ「そんなことさせません」
ラキ「!」
ゴーコン「…アリガトネ様…」
アリガ「…彼女… エクステちゃんは、エクステ・セウスとして、今を生きています。かつてのチカラが戻ったとしても、かつてに戻るわけではないのです! ラキ様…訂正してください」
ラキ「…そうだね。軽率な考えだったかな…ごめんね」
アリガ「……私がいる限りは…そんなこと…決してさせない。…そして何より…私は…エクステちゃんを信じています」
ラキ「…うん……」
キュレル「…(う~ん、全然ついていけないのです…)」
ヘラ・ルージュ「………いずれにせよ…多分、そろそろ…」
ラキ「! そうだね…『植え込み』の効果が、切れるかな…」
アリガ「………」
エッシェンシャルル「…あ、あの…」
ラキ「ん?」
シャルル「認識が間違えていなければ、ですが…ウェーボさんがされた『植え込み』は、その、よく分からない存在と、エクステさん、シンシュークさんに対してですよね?」
ラキ「うん。そうだね」
シャルル「で、あれば、その…効果が切れた場合、シンシュークさんも、危険なのでは??」
ラキ&アリガトネ&「「!!」」
メトリー「確かにそうですね。元々、シンシュークさんを捕えようとしていたようですし」
ラキ「…そう…だね…」
アリガ「…ラキ様…ここは、いっそ、こちらに呼び寄せて…」
モイスチャー「あっ、すみません…それについてですが」
ラキ「! モイスちゃん、どうしたの??」
アリガ「…(モイスちゃん……)」
モ「はい。実はもう、すでに向かわせています」
ラキ「え?」
モ「ボタニストの中で最も『守り』に特化している三名が、間もなく着くはずです」




