第542毛 崩れ落ちない
エ「………初めて…会った時の…こと??」
アリガ「ええ。私が、地上界リーブの民を見つめていたら、どうしたの? って、話し掛けてくれたよね?」
エ「……ぁ………ぅん………」
アリガ「うん。あの時ね、私は『美しい』と言った。覚えてる? 私は、貴方がたリーブの民が、美しいと感じたの。『懸命に生きる』貴方がたをね」
エ「……………美……しい……」
アリガ「そう。エクステちゃん。よく聴いて」
アリガトネは、チラリと??? 達を見てから、続ける。
アリガ「貴方がたは、確かに、色んな『負』の感情がある。それは否定しないわ…。でもね」
アリガトネはしっかりと、エクステの目を見る。
アリガトネ「貴方がたは、『強い』。貴方がたは、『成長できる』チカラを秘めているのよ」
エ「……………成長……??」
アリガ「ええ。これはね、ある意味、私達天界の者より『優っている』と、私は思うの」
???「!!」
イ「はぁ!? 何をバカなこ」
アリガ「ちょっと黙っててください」キッ
イ「………(なんでボクだけ睨まれ………)」
アリガトネ「むかし……この話をしたら長くなっちゃうから、とてもざっくり言うとね、セカイが今みたいに分かれるとき、一番『心配』されたのが、地上界リーブだったの」
エ「……………」
アリガ「魔界は、独自のセカイ観があって、それなりに『チカラ』もある。天界は、言わずもがなよね。…だけど、地上界リーブは…地上界リーブを『創り上げようとした者』は、一切の……これまでの『チカラ』を、放棄したの」
エ「………どう…して……」
アリガ「成長、したいからよ」
エ「!!」
アリガ「……今までの『チカラ』はね、こんな言い方したらちょっと失礼かもしれないけど『とくに何かをしなくても』与えられる…というか、備わっていたものが沢山あったの。もちろん『創始者』は別だけど、例えば、代々受け継がれている者、『理』に沿ったチカラが元々ある者、とかね」
???「………」
アリガ「これ自体は、別に悪い事ではない。ただ、己のチカラに慢心し、己のチカラに溺れたり、必要以上に行使したり、チカラ同士で優劣をつけたがったりと、色んな意味で、荒んでしまう事も多いのよ……。…そして、『あの戦争』が起こった……」
シンシュ&ウェー「「!!」」
エ「……戦争??」
アリガ「…ええ。詳しくは、今は話せないのだけれど、その戦争で、私達皆、程度や想いの差はあれど、『反省』した。それで、『志』を大きく3つに分けて、セカイを『分断』することにしたの」
エ「……分断………」




