第540毛 実行犯
ズル…
ズル…
ズル…ズル………
『彼等』は
焦点の合わない目をしながら
アリガトネ達へ近づいてくる。
ウェーボ「!! っ………」
その様子を、ウェーボはどこか苦しそうに見
そんなウェーボを
イカレス「あれ〜?? やっぱり、ツライよね〜♪ なんてったって、キミも『同じ状態』になってたもんね〜♬」ニヤニヤ
イカレスが見逃さず、語りかける。
エ「!!え!?」
ウェー「……………」
シンシュ「……………」
シンシュークは
ウェーボをチラリと見
アリガトネへ向く。
シンシュ「……アリガトネ様…。ここは、私達が……貴方様のおチカラも、制限が…」
アリガ「…いえ」
アリガトネはハッキリとした口調で、シンシュークへ話す。
アリガトネ「……先程、アチラ側は、限定的ではありますが『御業』を使いました。……つまり、スキルを含めた『チカラ』を無効化するチカラです」
シンシュ「!!……あの時のは…御業級だったのですね………クッ……」
アリガ「…はい。そのため、おそらくはまだ、貴方のスキルは使用できません。……ただ…」チラッ
シンシュ「……?」
アリガトネは
ウェーボを見る。
エ「……???」
ウェーボも
アリガトネを見つめ返す。
ウェー「……………」
暫し
アリガトネとウェーボ
両者が見つめ合う。
イ「? なにやってんの?? アリガトネが言ってるように、みんなのスキルは一時的に『消してる』んだよ? もちろん、ウェーボくんのスキル『固定』もね!!」
エ「!!『固定』??」
ウェー「……………」
イ「あっ、そっかぁ〜♡ ま、そうだよね♬ なんてったって、そこのシンシュークくんの親をそれで『拘束』したもんね〜♪」
エ「え!?!?」
ウェー「………」
シンシュ「……………」
アリガトネ「………(…『人形』が動きを止めている……ずいぶんと余裕な……)」
エ「……え……なっ………どういう……だ、だって、その出来事って、お父さんがまだ若い頃で………」
ウェー「……」
イ「な〜んにも話してないんだね♡ なら、ボクから教えてあげるよ♪ ウェーボくんは『情報屋』としての仕事を生業としてるから、まぁまぁ希少なチカラの『時忘れ(ドライフラワー)』の恩恵を受けてて、限りなく歳をとるのが遅れてるんだよ☆」
エ「………そ、そう…なの?? ……お兄ちゃん…」
ウェー「……………ぁあ………」
イ「そうそう♪ ま、で、経緯や理由は省くけど、ボク達はキミ達…セウス家が気に食わなくてね。あの場で、一網打尽にしようとしたんだけどさ。まぁ、邪魔が入っちゃって。次の機会をうかがってたんだよ」
ウェー「……………」
イ「あ〜。思い出すだけでムカつくよ!!あの時、あの守護者が直々にこなきゃ、今頃は」
???「イカレス。喋り過ぎだ」
イ「!! ごめんオジサン☆またやっちゃった♬」
???「………まったく……」
イ「ま、良いじゃん♬ 事実を言ったから、ちょっと崩れたりするんじゃない?? ねえエクステちゃん、シンシュークくん♡」
エ「!!」
イ「大切に大切に思っていたお兄ちゃんが、キミの家族を殺そうとした張本人なんだよ♡例え操られていたにせよさ♬ で、それを隠してたってわけだ。エクステちゃん、どう?? もう、信じられなくなったで」
シンシューク「黙れ」
ウェーボ「!!」
エ「!! ……お父…さん……」
シンシュ「………イカレス…お前は、何も分かってないな」
 




