第521毛 三様
ラキ「とりあえず要点だけ話すね。 今回、ヨルさんが得た『チカラ』は、『リリース・イン・シャンプーン(洗浄/万物流転)』。それと、お姫様が得た『チカラ』の『イザナミ(誘身)/イザナギ(誘気)』もそうなんだけど、本来、リーブの民に与えられるものじゃないんだよ」
ヨル「え!?」
アーデランス「そ、そうなのですか!?」
ラキ「うん。…どうしよっかな……『スキル』と『御業』、そして『チカラ』…これの説明もした方が良いかな……」
シ「 !! 恐縮ですが、お願いできますでしょうか。ずっと、気になっていましたため」
ラキ「やっぱりそうだよね。名称、ひとつにすりゃ良いじゃん! って、思うよね」
シ「ハハハ。まぁ確かに…」
コーデルワイス〘………〙
ラキ「まず、『スキル』だけど、これはまぁ、わかりやすいかな。『テンカイから与えられるもの』であり、まぁ、与えられるチカラ、といっても良いかな。ただ、このあと説明する『チカラ』と分けた意味合いにしたいため、『スキル』と言う方がほとんどだよ」
シ「なるほど」
ラキ「で、『御業』だけど、これは大きな意味では、『秀でた能力』をさす形かな。地上界リーブでいうと、エクステちゃんや、ボールドさんも多分そうだね。それに、勇者コーデルワイスさんも」
コーデルワイス〘…ぁ、あの……〙
ラキ「ん?」
コー〘『御業』は、普通の…といってはなんですが、『誰でもできること』を極めた、という意味合いなのかと認識していました…〙
ヨル「!!」
ラキ「さすがは勇者様。その通りだよ☆ 分かりやすいのは、ボールドさんの『洗濯』かな。『洗濯』自体は、誰でもできるよね。ただ、その技量がとんでもないレベル…域に達している。そこに敬意を払って、『御業』って言うんだよ。ま、『神がかりな奇跡』の呼び方が、より神秘的というか『神に近いから』と言う心理的な理由などで、浸透したみたいだけど」
コー〘そうなのですね……〙
キュレル「…でも、エクステさんの『ミウツシ人形』は、なかなか他のヒトにはつくれなさそうなのです…」
ラキ「あはっ♪ まぁ確かに。ただ、シゲル君の世界にも似たようなものがあるように、あそこまで精巧じゃなくとも、つくれる者はいるんだよ」
キュ「すごいのです」
ヘラ「………」
ラキ「…ぁ、ヘラさん、何か言いたげ?」
ヘラ「……………」プイッ
ラキ「アッハハ☆ いや、訴えたいことはわかるよ。えっとね、今言った『御業』は、テンカイにおいては、多少違った意味で使うことも多いんだよね」
シ「と、いうと?」
ラキ「うん。 テンカイにおいては、皆、あとから説明する『チカラ』を、各々もってる。この『チカラ』の中でも特に、『唯一無二であり、広範囲あるいは特化的に絶大な影響力がある』チカラを、畏怖も込めて『御業』って言うんだよ」




