表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者様を召喚したら光り輝いてました  作者: 早々にフリーランス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

493/708

第490毛 伝える

ヒルデ「…聴いて…ください」




ザワザワ…




ザワザワ…






ヒルデ「…私は、たくさん、たくさん、『処理』してきました。…いろんな人を、ただ、ただ…。その一人ひとりに、どんな暮らしがあって、どんな想いがあったかを、考えずに…」




黒猫ベル「…」




ボールド「…」






ヒルデ「…みなさん…ごめんなさい」ヒルデは頭を下げる。




黒猫「!! ヒルデ‼ そんなこと」




ヒルデ「ううん。こうしたいの。…だって、立場が違ったら、私もみなさんみたいになっていたかもしれないですし…」




黒猫「…っ…」




ヒルデ「その時、私は、『痛くないように』『苦しくないように』動いていました。…今も、その想いはあるけど…結局、殺してしまったら、その人たちが、行いを省みることは、できなくなりますよね? 私は、そんな、みなさんの機会を奪ってしまいました…。本当に、ごめんなさい」






??「…」




?「…今更…謝られても…」






ヒルデ「…はい。遅いですよね…。ただ、今この瞬間、みなさんとお話しできているのは、きっと、みなさんにも『旅立てる』可能性があるからだと、思います」




???「…旅立てる?」




ヒルデ「はい。私も、ハザマにいた時は、あぁ、ずっとどこにも行けないんだな、と思ってました。私なりに、反省をしているつもりでしたが、それはあくまで『大切な人に対する自責』でした」




??「………」




子ども「……」






ヒルデ「私が出られたのは、勇者様…シゲル様や、大切な友人たち、後輩たちのお陰です。私だけでは…ひとりの力では、囚われ続けていたと思います。でも、出ることができて…仲間と一緒にいることで、『普通の暮らし』がどんなに幸せなのか、少しずつ分かってきました。そして同時に、『誰かの暮らし』を奪ってきた事も、ズシッと、私の中に圧し掛かってきました」




黒猫「………」




ヒルデ「私は、みんな…シゲル様たちのそばにいるべきではないのかもしれない、とも思いました。これは、今でも少し、思っています。…ただ、私は……先ほど、ボールドさんも言ってくれたように、私の犯してしまった罪は消えない。それならば、みなさんから奪ってしまった『暮らし』を、またないがしろにするのではなく、少しでも多くの人の『暮らし』を支えていきたい、と感じるようになりました」




ボールド「…嬢ちゃん」






ヒルデ(ヨル)「…私が、名前を変えたのは、逃げたからではありません。…いや、もしかしたら、過去から目を背けたい、という想いもあったかも知れませんが…。でも、私は『ヨル』として、新たな私で、みなさんを助けたい。『奪う側』から『与える側』になりたい。そう、想っています」






?「……」




???「…綺麗ごとのように聞こえるぜ…」




??「…そう…そうよ‼ そんな…そんな簡単に…変われるとは…」




ヒルデ(ヨル)「はい。そうですね。簡単には変われません。だからこそ私は、シゲル様達と一緒に、旅をすることを決めたのです。そして、旅の中で、自分の過ちと向き合って、色んな方と出会って…責められても、失望されても、それで良いと思うんです。前を向こうと想うんです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ