第479毛 対極/大局
…
キュレル「…ぇ…キ、キュレルです…」
メトリー「私はメトリーと申します」
ヘラ「…正式に…」キッ
キュレル「ぇっ…」
メトリー「! 失礼致しました。この子はキュレル・リッチ。私はメトリー・リッチで、旧姓はシン。メトリー・シンです」
それを聞いたヘラの
身体から
ハゲしい『圧力』が発せられる。
モ「!!」
察知したモイスチャーは
3名の間へ割って入ろうとするが
ラキ「待って!!ヘラさんを信じてよ」
ラキに再び止められる。
モ「カ…ラキ様…申し上げにくいですが、貴方は、我々を騙していたでしょう。そんな貴方の事を、信用しろ、と?」
ラキ「…それはそうだね…。でもさ、ことヘラさんに関しては、カリブの時より、ヘラさんと同じ『神』として正体を現した今のボクを、信じてほしいな…」
モ「………」
キュ「……(くしゃくしゃの長髪が逆立っているのです…)」ドキドキ
メ「……」
ヘラ「……リッチ…やはり……それに…シン…シン一族と言えば…あの…」ブツブツ…
髪を逆立てたまま
ブツブツと独り言を発するヘラ・ルージュ
ラキ「………」
やがて
スッ と
ヘラの「圧力」が和らぎ
髪も元通りになる。
ヘラ「…まぁ…良い。『理』に反している訳では…なさそう。…それに…『覚醒者』がまだ…揃っていない」
キュ「!!」
メ「…それは…まさか…」
ヘラ「アナタ…メトリー…さん」
メ「!!はい」
ヘラ「…アナタの一族の事は…なにか知っている?」
問われたメトリーは
一瞬たじろぐが
メ「…ヘラ様のお考えに沿っているかは分かりませんが…シン一族…シン家は代々『半神半人(シンジン/ハンジン)』が生まれてくる、と言われています」
キュレル「!!え!?」
シ「…ちょうど、『ホロモニター』内で、ヨルに対して出てきた言葉ですね」
コーデルワイス〘‼ そうなのですか? 全然、見ることができていませんでした…〙
シ「この状況なら、仕方ないかと…」
アーデランス「…シンジン…ハンジン…確か…書物に…」
ヘラ「……そう…。やっぱり…」
メ「……ヘラ様…私が…もしかして…」
ヘラ「…とりあえず、状況は分かった。もう、いい」
メ「え?」
ヘラはそう言うと
ペタンッ と
その場に座り込む。
ヘラ「私がここに来た、大きな理由は…今、狡知の神のチカラでなんかやっている『ナルキューレ』の生まれ変わりを心配して、御魂ごとコッチへ来た子の動向を探るため…」
ラキ「え⁉ 御魂ごとって……!!そうか…見逃していたよ…」
モ「え??」
ラキは『ホロモニター』で、ヨルの状況を観る。
ラキ「………『眷属』が助けに入ったのか」




