第470毛 異径
…
……
………
…これは
このモノは…
???「隊長!!……こ…これは…まさか……」
隊長?「…狼狽えるな」
…
いや…
使いようによっては………
クニのためになる…
隊長?「…こいつを運ぶぞ」
???「ええ!?」
??「本気ですか!?だって、コイツはおそらく……」
「…ん……ぅうん……」
パチッ
???「!!」ビクッ
??「っく……!!」スチャッ
隊長?「武器をおろせ!!」
??「!?し、しかし……」
隊長?「敵意を見せるな。…もし『ホンモノ』であれば、我等などひとたまりもないぞ」
??「………はっ! 失礼致しました」スッ
隊長?「………」
隊長と呼ばれている男は、ジッと『かのモノ』を見据える。
「………??」ジー
そして
『かのモノ』もまた
隊長?を見据える。
隊長?「………フッ」
???「た、隊長??」
隊長?「…良い『眼』をしている………。どうだ、『生きたい』か?」
「……………『生きる』って…なに?」
隊長?「……………『成りたいように成る』という事だ」
「……………痛く、ない?」
隊長?「…『痛み』は、『慣れる』」
「………慣れ、る?」
隊長?「ああ。そして、『痛くなくなる』」
「……………じゃあ、『生きたい』」
隊長?「…よし。ならば我々とともにこい」
???「!?」
??「………隊長……まさか……このモノを………」
隊長?「………これはカミのお導きか…はたまた………兎にも角にも、確かめてみようではないか」
??「……………」
「………?」
隊長?「………ソナタ…名はあるのか?」
「………? 名…ってなに?」
隊長?「………………ソナタが今後『縛られるモノ』であり、ソナタをソナタたらしめるモノだ」
「……………痛く、ない?」
隊長?「ああ。痛くはない。よければ、我が名付けよう」
「……………」
隊長?「………ナ……いや、軽率か……ヘブ……いや……」ブツブツ…
??「…隊長……」
隊長?「…よし、決めた」
隊長は『かのモノ』へ手を差し伸べる。
隊長?「ともに征こう。『ヒルデ』」




