第448毛 進言
バ王「…民の声…と?」
コー「はい。バンテリン王。貴方には、どう聴こえておりますでしょうか。…群衆のさざめきのように捉えているのでしょうか」
バ王「………いや……」
コー「王。民は、本質を捉える資質を有しています。私も実際、『気持ち』が落ちていたときは、悲観的な声に耳を持ってかれがちでしたが、今なら分かります。民は、『話し合い、皆にとって最もよい形』への結を導く事ができるのだ、と」
バ王「………」
?「…コーデルワイス…つまりソナタは、その『民主主義』の国家への変革をせよ、と言っているのか?」
コー「あくまで提案ではありますが、それがこの国には合っているかなと、思っています」
??「………では、アナタは? アナタは、どうなるのですか?」
?「そ、そうだ…コーデルワイス…ソナタのこれまでは…」
コー「…あら、『幻像』でも、お気遣いくださるのですか? 」
バ王「!!」
??「……!!」
?「……は? 『幻像』? 何を言っているのだ?」
コー「………」
コーデルワイスはその問いへ答えず、ゆっくりと『その場』を見渡す。
コー「……私の記憶をもとに……あの方…カリブさんが、色々イジったのでしょうか……いや、でもほとんど変わらなかったかな…」
?「?? 何をブツブツと…」
コー「バンテリン王」
バ王「!! …なんだい?」
コー「…本来、私は悲観しているばかりではなく、今のように進言するべきでしたね。…カリブさんが狙っていたかは分かりませんが、私は『過去に囚われがち』のようです…そう…『元の世界の過去』も含めて…」
バ王「………」
コー「王。私は、貴方様に『召喚』されたこと…今となっては『光栄』に思います」
バ王「!!」
??「………」
コー「このセカイのご事情があるなかで、王は私のチカラを『人助け』の為に見出してくれた…あ、『魔王退治』も建前上は人助けかもしれませんが、そこは置いておきます」
?「………(置いておくのか……)」
コー「貴方様や、側近の方々が、完全に私の記憶から来たのか、はたまた本当の『イシキ』なのかは分かりません…ただ、それでも、私の想いを、貴方がたに言う必要があると、感じます」
………
パリ…
パリ…パリ…
………




