第439毛 魂胆
シ「…何を言っている?」
パ「そのままの意味だよ。…アナタは、シゲルじゃない。そしてきっと、シャルル達もシャルル達じゃない。ここは、どこ? どうなってるの?」
シ「…パンテーン…まだ夢見心地なのか?」
シゲルが言いながら、パンテーンへ触れようと…
パ「ッ!! 触らないで!!」バッ
シ「!!」
パンテーンはシゲル達から距離をとり、剣を構える。
シャルル「…パンテーン…どうしたというのですか??」
アーデランス「…パンテーン、怖いですわ…」
パンテーンは一瞬たじろぐも、しっかりと『彼等』を見据える。
パ「…アタシの名前を呼ばないで……。アナタがたは、アタシのしってるみんなじゃない」
シ「………根拠は?」
パ「…シゲルは、仲間を蔑んだりしない。シャルルは、毒舌でも必ず一言、真意を添えてくれる。アーディは、もっと私や、シゲルに想いをぶつけられる」
シャ「……(毒舌…)」
シ「………それは根拠なのか? ヒトは、かわるものだ」
パ「…知っている…。ただ、明らかに誰かを陥れようとする魂胆が、さすがのアタシでも見え見えだよ」
シ「………」
パンテーンは目を閉じる。
パ「………やっぱり、『アタシが記憶している場面』がある。それに、ちょっとだけ違うのが、ここなんだね……。これは…アタシが恐れている展開…なのかな…」
シャ「…パンテーン…」
パ「………どうしたら良いかは分からないけど…シゲルのフリをしている誰かさん」
シ?「!!」
パ「…アタシはね、シゲルが好き。アタシだけじゃなく仲間を大切にしてくれて、アタシが暴走したらさり気なく止めてくれる…そんなシゲルが好きなの。だからね…『アタシだけを気にする』シゲルは…ちょっと寂しい気もするけど、シゲルじゃないと思うんだ…」
シ?「……………」
……………
パリ…
……………




