第437毛 見損なう
パ「………ごめん……」
シャ「…まったく…私と言うよりは、アーデランス姫に一言伝えるべきですね」
パ「………うん」
シャ「…して、パンテーン。…『望んだ結果になった』みたいですね」
パ「!! ……ぁ…ぇっと……」
シャ「………もっと素直に喜んだらどうです? 以前話していたでしょう。『全てを捨ててでも、勇者様とともに行きたい』と」
パ「………え…ぁ…す、捨てるとは…言って…」
シャ「貴方はこのセカイから離れ、勇者様へついていく道を選んだのです。同じ事でしょう」
パ「……………」
シャ「どうしたのです? せっかく貴方の想いが成就したのですよ? 勇者様の世界に行けるかは別として、そんな辛気臭いカオしていないで嬉しそうにしてください。じゃないと、正直…不快です」
パ「!! え……」
シャ「だってそうでしょう? あれだけ想いを吐露し、姫や私達と今後のやり方について模索したのに、あっさりと裏切って…しかも『自分だけ』確約を貰えて……………………私だって……」
パ「…シ、シャルル??」
シャ「………とにかく、おめでとうございます。姫への報告はお忘れなきよう。…それでは」ギシッ
パ「…ぁ……」
シャルルはスタスタと部屋の扉まで行き
…
シャ「………パンテーン、少し、見損ないました」
パ「!!」ズキッ
シャルルは部屋を出ていった。
…
……
………
シゲル「さて、そろそろセレンディピティ共和国へ向けて出発しよう」
パ「……うん」
ア「………」
シャ「………」
シ「む?何やら元気がないな。緊張して眠れなかったのか」
シャ「…いえ…何でもありません…」
ア「………」
シ「む…アーディの方は、何かあったのか??」
ア「……………いえ……何でも…ないですわ……」
シ「?」
パ「………」




