第41毛 その日
ラ「母上……やはり、アナタは父上との結婚に」
メ「いえ!違うのです!」
ラ「え??」
メ「あの人は…もうすぐ国を出ることになりまして…」
パ「国を?」
メ「はい。お父上の商売の都合のようで…。あの人は甘やかされて生きてきたようなものだから、新天地では自立した生き方をしてもらうように、色々お話をしていました」
シ「なるほど。それには、自らのカラダでは都合が良くなかった…と」
メ「スカルプ様はお優しい方です…きっと理由を言えば、にべもなくお許しになったでしょう。ただ、やはり嫁いだ身として、頻繁に別の男性の元へ通うのは…」
シ「外部の印象はやはり…と言った感じですね」
メ「はい…」
キ「だから私が、後押ししたんです。街に行くたび、寂しそうなお顔をする母上がかわいそうだったから、いいよって。私も大人になって街を歩いてみたいって」
メ「この子にそこまで気を使わせてしまった自分が情けなくなりました。ただ、それと同時に、もしそれをすれば、キレイサッパリ、送り出せるな、と…」
ラ「………」
メ「『御魂の入れ替え』は問題なくでき、数回、あの人の元へ行きました。そして、出発最後の日」
メトリーは思い出すように目を閉じる。
メ「魔が差してしまったのです」




