第427毛 諍(いさか)い
シャ「………ふぅ……」
野盗狩りの依頼が終わり、シャルルはネイチャー王国へと戻ってくる。
シャ「…色々と…疲れました……。教会にでも…」
シャルルが教会に向け歩みを進めていると
男1「おい!! 今なんつった!?」
男2「ああ? 耳ついてんのかテメェ!! 昼間っから酒臭えっつったんだよ!!」
男1「んなこた、俺の勝手だろうが!!何様のつもりだコラ!!」
男2「あ? 戦士様だぞコラ!!呑気に飲み歩いてる平民風情が!!シメられないとわかんねぇようだなぁ!?」
男1「上等だコラ!!かかってこいや!!」
シャルルの通る道の少し横で、二人の男が臨戦態勢になっていた。
シャ「………」
道行く人々のうち何名かは、どこかに連絡するような素振りも見せてはいるが、基本的には見て見ぬふりをしている。
シャ「………はぁ……」
シャルルがその仲裁に入ろうか逡巡していると
???「まぁまぁ、落ち着いてください」
それなりの体格の男が、二人の間に割って入る。
男1「あ!?」
男2「なんだぁテメェは!?」
ラックス「俺はラックスっていいます。一応武闘家です。いや、何やら揉め事かな、と思いまして」
男1「武闘家だぁ? なんだ、お前も俺に説教する気か!?」
ラ「いえ、そんなことは全然。ただ、揉め事となれば、互いに無傷では済まないし、色々と厄介かと」
男1「けっ!!知ったこっちゃねえよ!!邪魔立てするなら、テメェから…」
男1が拳を振り上げる。
ラ「………」
男2「待て!!」
意外にもそれを制したのは
男2だった。
男1「あ? なんだ、怖気づいたのか?」
男2「…おまえ、マジで酔ってんのか単細胞なのか…」
男1「ああ!?」
男2「…コイツ、ラックスっていやぁ、あのスカルプ邸の息子だぞ」
男1「スカル……!!………マジかよ……」
ラ「……………家柄を誇示したくはないのですが…名乗らない方が…良かったですかね…」
??「いやいや、そんな事ないと思うよ。礼儀正しいラックスらしいじゃん」
シャ「!!」
三人の側に
ひとりの女性が歩み寄る。
男1「今度は誰………ん? 嬢ちゃんは……」
パンテーン「やっほ〜。昨日は酒場で一緒に飲んだよね。オジサン」




