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第318毛 オルビス・フレスギーの諸記録その1
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ここは
地上界とは異なる
場所
とある空間に
かの者は発現する。
オルビス「……ふぅ。いやぁ、久しぶりに来ましたねぇ。テンカイに」
懐かしむように辺りを見回したあと、オルビスはゆっくりと歩みを進める。
何もない空間のようで
歩みを進める度に
道が生まれ
景色が映えてくる。
やがて
まさしく『天上の城』とでも表現すべき
優雅な造形物が
オルビスの前に姿を現す。
オ「…あら、相変わらずねぇ。まったく、真面目なんだから」
城らしき造形物の門前には
筋肉隆々の大男が佇んでいる。
オ「久しぶりねぇ。元気だった? 『バルクザール』」
バルクザールと呼ばれた男は、オルビスを見るなり、驚きの表情を浮かべる。
バルクザール「!!あ、あなたは、エイ…」
オ「おっと、その名はもう捨てましたよ。今は、ボタニストの元総長、現名誉総長のオルビス・フレスギーです」
オルビスはゆっくりと、しかしハッキリと告げ、微笑んだ。
 




