第312毛 器用/起用
森へ入った一行。
モ「では、必要最低限の会話のみで」
シ「わかりました」
そして森のなかを…
モ〚…さて、そろそろこちらで会話しましょうか。皆様、過剰な反応はせず、また、時折実際の声にて、違和感のない言葉選びをお願い致します〛
何名かは一瞬ビクリとするが、「大丈夫ですかキュレル氏、獣道なので最初は慣れないかも知れませんが…」等、各々フォローする事で違和感を多少消す。
キュ〚…失礼致しましたなのです…。…これで、みんなに伝わってますか?〛
モ〚はい。問題ありません。『念話』は、思った事を口に出せずに念じるだけで、特定の相手との、口からの言葉を介さないやり取りが可能です〛
メ〚なかなか刺激的ですね。スカルプ様のスコープペンダントの上位版みたいな…〛
キュ〚いよいよ役立た…いや、送り出してくれた父上に失礼なのです。わかりましたか兄上〛
ラ〚なんで俺!?〛
パ〚…それにしても、間違えて声出しちゃいそう。…みんな器用だね〛
ア「私も、口数が少なくなってしまいそうですわ………ぁ」
エ「あら、姫、やっぱりおっかないんですか〜??まぁ、初めての旅で、初めての森ですからね。でも大丈夫、私達が守りますよ〜」
ア「…あ、ありがとうございますですわ…。………〚うぅ…大変失礼致しました。…エクステさん、助太刀ありがとうございますですわ〛」
エ〚いいえ〜〛
シャ〚…今みたいなうっかりはさておき、確かにこれは、重要な内容を共有する時に便利ですね〛
ヨ〚………〛←間違えて喋りそうで、念話なのにただミタマの中で首を振って肯定するヨル
モ〚はい。このような場所と状況が必要であるため、場面は限られますが、これを見越して、師匠のオルビス様が私に『念話』の起用を許可してくださいました〛
シ〚なるほど〛
パ〚……あ、そうだアーディ。コーデルワイスさんがもしこの道中で起きたら、何か喋る前に、何とか『念話』で伝えないとね〛
ア〚そうでしたわ〛
コーデルワイス〚………えっと…起きてます……諸々、聴いていました…。…これで、良いのかな………〛
パ&ア〚〚!!〛〛ビクッ
シ「む、何か声が聴こえたような気がするが……おそらくこちらへ気が付いた訳でないだろう。アーディ、それにパンテーンも、緊張することはないぞ」
ア「は、はい」
パ「…そうだね。…敵襲か何かかと思っちゃった」
シャ「……(うーん…先が思いやられる……………)」




