第19毛 抜け出し
キ「そうなのですね…。ですが、おそらく無駄骨になってしまうかと…」
シ「む?」
ラ「キュレル、どうしたんだい?」
キ「…この現象は…外部の人じゃ…解決できない…たとえ勇者様であっても」
ラ「…!!キュレル、もしかしてまた、ここを抜け出してアート図書館や個展等に行ってないだろうね??」
キ「……」
シ「抜け出して?」
パ「髪が?」
シ「誰のアタマが抜け出してんだ」
ラ「あ、え、えっと、母のメトリーがいなくなる前から、キュレルは図書館等が好きでして」
シ「ほう。私も好きだぞ」
パ「脳筋なのに?」
シ「失礼な。圧倒的博識んにくだ」
ラ「さすがご聡明ですね。メトリーも同じくたくさんの知識があり、キュレルを度々連れて行ってました。でも」
シ「何か問題が?」
ラ「メトリーがいなくなってからは、それこそ思い詰めたように図書館等へ通い詰めになりました。食事もろくにとらないため、俺たちも、外出の制限をかけたのですが」
シ「抜け出してる、と」
ラ「はい…先程、俺はキュレルの『入れ替え』を見たことがない、と話しましたが、おそらく何かと入れ替えをして、抜け出しているのかと」
シ「器用だな」
ラ「良いのです。気分転換や、思い出に浸るなら。ただ、あまりにも…」
シ「鬼気迫る感じだということか??」
ラ「はい…。良くない考えかと思いますが、このままキュレルまで何かあったらと思うと…」




