第202毛 鏡像/虚像
ワ「まず皆様、まどろっこしい真似をしてしまい、申し訳ございませんでした。色々と事情があり…」
パ「と、とりあえず、順々に説明してもらえれば………」
ワ「はい。まず私は…シゲル様と同じく、異世界から呼び出されました」
ヨ「!! え!?」
エ「………そうなのですね…」
パ「え…エクステさん冷静…」
エ「破天荒な展開なので、それくらいなのかなぁと…」
パ「…順応し過ぎじゃない!?」
ワ「えっと、続けます。呼び出されたそもそもの理由は『民を助けたい』との単純なものです。そして同時に『お告げがあった』と…」
シ「……お告げ、ですか…」
ワ「はい。それ故、救世主となる存在を『呼び出す』事にしたようです。ただ…」
ラ「…ただ??」
ワ「あくまで推測でしかないのですが、この国の願いとして『鏡像』『虚像』の意味合いが強かったのです」
ヨ「………??」
シャ「聞き慣れないですね…」
ワ「基本的に、国には、長がいます。長が先導して全てを決める国があれば、長が選定した他者に任せる形で、国を治める、長か他者が主導となり考えを発した上で、国民の取捨選択で決める、など、様々な形があります」
エ「そうですね…帝国や王国、共和国の違いが如実に出ますね」
ワ「はい。そしてこの国としては『民を安心させる存在がいる』事を大前提としたようです。民を守り、民を慈しみ、民を諭し、民を導く。そんな存在は、『偶像崇拝』のような認識となりました」
パ「………(アタマ割れそう…)」
ワ「そんな想いのもと、召喚された私は……『私を創る私』としての姿でした。今のような『創造した別の自分』として呼び出されたのです」




