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第17毛 キュレル
シゲルはメトリーの肖像画の横にある、別の肖像画を見る。
シ「こちらの女性もメトリー氏のようだが、一緒に描かれているのは、妹君か??」
ラ「あ、はい。妹のキュレルです。この時は、まだまだ4歳か5歳程だったかと」
シゲルは肖像画に目を通す。
穏やかな笑顔のメトリーとともに、満面の笑みを浮かべる少女。
右手でピースをしており、幸せそうな瞬間に見える。
シ「きいている通り、仲は良さそうだな」
ラ「はい、それはもう。だからこそ今、キュレルはふさぎ込みがちでして…」
シ「当時からはどのくらい経っているんだ?」
ラ「2年程です…」
シ「ふむ…」
パ「あ、ラックス」
ラ「あ、はい。シゲル様、キュレルの部屋に着きました」
シ「うむ。嫌がらなければ、少し話をきいてみようか」
ラ「お願い致します。」
ラックスはドアをノックした。