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第16毛 モンブラン
城内を見て回るシゲル一行。
ふと廊下に飾れているいくつかの肖像画っぽいヤツにシゲルの目がいく。
シ「この絵は?」
ラ「あ、それは、お恥ずかしながら父が描いたもので」
シ「ほう。アートにも優れておられるのか。さすがネイチャー王国の城主」
ラ「ありがとうございます。今見ていただいているのが、失踪したメトリーを描いたものです」
シ「この女性がメトリーか」
ラ「はい。聡明で明るく、気立ての良い方です」
シ「この、左手に持っているのは、万年筆か??」
ラ「あ、シゲル様のお世界では、そういうのでしょうか?これは、こちらでは『モンブラン』と言いまして、繊細に扱う必要はありますが、非常に優美な字が書けるモノです」
シ「なるほど。私の世界の万年筆にも、有名ブランドがその名だった。さぞ立派なモノなのだろう」
ラ「はい。実は、これもどうやら想い人からの贈り物だったようで。父は気にしていなかったため、愛用されていたようです」
シ「なるほどな」




