第178毛 祈る
パ「救世主?そんな大々的に言っていたんですか??」
男性「はい。ただ、他国へも大々的にアピールしていたかは存じませんが、我が国では一時期すごかったですね」
女性「いくつかの『神がかりな奇跡』をもたらしてくれたので…」
シ「ほう。例えば??」
女性「はい。もっとも有名なのが、例のフェイタストリートです」
シ「ふむ」
男性「元々は、難民等を受け入れても、その処遇に困っていました。文化や風習が違うため、我が国の仕事になじめず…。そんな中、ワイス様は『各々の文化を活かせる手段』として、難民、移民のストリートと仕事内容を考案されたのです」
ヨ「………」
女性「また、ワイス様は『納付制度』も考案されたと言われています」
シ「!! 納付ですか」
男性「はい。我が国では、基本的に時給自足かつ、ケガや病気の場合、都度有料で治療を受けていました。ただそうなると、貧富の差により、貧しいものは治療を受けられません。教会へ行き、運が良ければ、流れ者の治癒師が無料で癒やしてくれることもありましたが、多くは自己治療か『祈る』しかありませんでした」
シャ「……他国でも、それが多いですね」
シ「そうなのか?」
シャ「はい…スキルや『信仰心』頼りの国は多いです」
シ「なるほど」
女性「そんな状況をワイス様は憂いで、『一定の納付をして、治療を無料あるいは低額で受けられる』制度をお作りになられたのです。全国民、つまり難民や移民の方も対象として」
ラ「思想と行動力が凄まじいですね」
男性「はい。今まで、そのような発想になることは…いや、なる人はいたのかもしれませんが、発言力も行動力も無かった。それをワイス様は成し遂げたのです。まさに…」
エ「奇跡のように、ですね」
男性「その通りです」
シ「なるほど。詳しくありがとうございます。よくわかりました。その上で、最初の質問に戻りますが、そのワイス様の仕業、というのは??」