第171毛 バンテリン
シ「ここがポタールか」
シゲル達は王国最大規模のポタールの一つへ到着する。
シ「私のセカイでいう、空港みたいな感じかと思っていたが、意外と閑散としているな」
エ「変なモノを間違えて転移しないように、必要最低限の設備しかない形らしいです」
シ「理にはかなっているな」
ラ「ええと、次の転移は間もなくでしたっけ?」
エ「はい。今回の行き先への転移は、もう間もなくです」
ヨ「勇者様…あの…」
シ「む??」
ヨ「本当に…お立ち寄りいただけるのですか??」
シ「ああ。貴殿を探す『コーデルワイス』氏が、いるかもしれない国だろう??」
ヨ「はい…」
シャ「ヨル。勇者様は基本的に他者を見捨てません。それに、アナタとしても、コーデルワイスさんに色々伝えなければならないでしょう」
ヨ「…うん…そうだね」
シ「それにしても、その国の名は確か…」
パ「バンテリン共和国だね」
シ「非常にサポートしてくれそうだな」
パ「やっぱり名前がなんかあるんだね…。まぁでも、隣国の中でも有数の良国だと言われてるよ。孤児や難民の受け入れもたくさんやっているみたい」
シャ「実際に、それだけの体制が整えられているのも強みのようです」
シ「なるほど。そんな国だから、元椿たちは潜伏場所に選んだ、と言うことか」
ヨ「はい…ワイス様も、同じように言っていました」
エ「…あ、間もなく転移が始まります。中央へ行きましょう」
一行はポタール中央へ向かう。
ざっと見るだけで数百人規模の人が、整理された列に並んでいる。
シ「規律が良いな」
エ「ここでわちゃわちゃしていたら、ボタニスト達が転移を中止しちゃうので」
そして
シゲルにとって初めての「国またぎ」が行われた。




