第169毛 出発
3日後
パ「うぅ…なんだがドッと疲れた…」
シャ「体力馬鹿の貴方がそうなら、私はどうなるんですか…」
ラ「でもなんか、体力というよりは…」
ヨ「……精神的に、ですか??気力とか…」
シャ「それです!!」
エ「私が言うのも何ですが、皆様の胆力は相当なものかと…」
シ「皆すまないな。万が一に備えてのものだ」
パ「うん…わかってる…あ、着いたね」
ゴウモウ王の城前
アーデランス「シゲル様…ぐすん」
ゴウモウ「アーデランスよ。笑顔で見送ろう。勇者様はきっと、大業を成し遂げてくださる」
ア「………はい」
ゴ「それに……いざとなったら、『例の手』も使うのだろう??…私は心配だか…」
ア「はい!!いざとならなくても使いたいですわ!!」
シ「ハハハ。アーディ、あくまで最終手段ではありますが、そうですね…安全かとは思うので、こちらがある程度落ち着いたら、連絡の上、使いましょう」
ア「楽しみですわ!!」
ゴ「では、シゲル様」
ゴウモウ王がシゲルへ向き直る。
ゴ「必要と判断して、とはいえ、本来無関係な、かつ異世界の貴方を、我々の事情に巻き込んでしまいました。それにも関わらず、積極的にマカイへ赴いてくださる貴方様には、本当にアタマが上がりません。勝手なお願いではありますが、ぜひ、『真相の究明』を、お願い致します」
シ「わかりました」
ア「真っ二つにしてきてくださいですわ!!」
ゴ「いやだから何度言うようにそんな物騒な感じじゃなくてだね」
ア「シゲル様…貴方様を召喚した時から、貴方様は光り輝いてましたわ」
シ「なんだが不本意だがな」
ア「勇者様が物理的に…というのもですが、なんというか…勇者様の『お心』も、清らかに輝いておられるように感じました。そして、まだこちらに来て間もないのに、多くの件を解決してくださいました」
パ「なんかあっという間だったよね」
ア「はい。私が最初に感じたのは、やはり間違いではありませんでした。……勇者様、父上も言ったように、全ては私達のワガママです。申し訳なく思って…」
シ「それはもういい。何にせよ、縁があってコチラへ来て、信のおける仲間ができた。あとは、でき得る限りの事はしていこうと思う」
ア「勇者様…ありがとうございます。どうか、どうかご無事で…」
シ「ああ。では、行ってくる」
ア「はい!!」
ゴ「お気をつけて」
シゲル達一行の旅が(ようやく)始まる。
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???「ようやく出発したか。遅かったわね」
??「まぁでも、計画に変更はないよね」
???「ええ」
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