第144毛 不可思議
……………
ヒ「…あのとき、ああ、私は救われたんだ、もう思い残すことはないかな、と感じてはいたのですが…」
シ「…『未練』があったからなのか、別の理由があるのか、わかりかねますが…起こってしまった事はいったん受け入れましょう」
ヒ「…はい」
シ「ひとまず、色々と確認はできました。まずヒルデ氏が、何かの理由で黒猫の死骸へミタマがうつった。ヒルデ氏は、黒猫の声帯を介ししゃべる事ができる。ただし…」
メ「おそらく『スキル持ち』のヒトにしか、言葉はわからない感じですね」
シ「ええ。先程いらした、お屋敷のメイド…使用人様は、『かわいい猫ですね。ニャーニャーと、一生懸命しゃべって』と言っていましたからね。多少の検証は必要ですが、おそらく間違いないかと」
キ「化け猫なのです!!」
メ「言葉を選びましょうねキュレル」
ヒ「………」
シ「さて、状況の整理はある程度できました。次は…」
メ「どうしていくか、ですね」
シ「そうですね……。お二方、同様の現象を、どこか、何かで見た、聴いたことはありませんか??」
メ「うーん…………ぁ」
キ「あの話に似ているのです母上!!」
メ「そうですね」
シ「あの話?」
キ「はい!!『不可思議の国のアルス』という創作物です!!」
シ「遠目に見たら普通にオリジナルと間違えそうだな」
メ「え??」
シ「何でもありません」




