第11毛 魔が差す城
ラックス「さぁ着きましたシゲル様」
シゲル「うむ」
パンテーン「相変わらずデカイね」
ウタゲの翌日、シゲルの「早期トレーニングだ」発言により、早速現場にきた一行。
ちなみにアーデランスは一応姫なのでお留守番。
ラ「早速来ていただき、ありがとうございます。こちらが、私の住んでいる『ヒノキ』です」
シ「カミに良さそうな城だな」
ラ「はい?」
シ「よし、上がらせてもらおうか」
ラ「あ、はい!!お願い致します!」
圧倒的に長い廊下を進む一行。
シ「悩んでいるというのは、怪奇現象に関してだったな」
ラ「はい…そうなのです。改めてご説明致しますね」
ラ「俺の家族は、父、義母、俺、妹です。実母は、妹を産んでまもなく亡くなりました」
シ「お悔やみ申し上げる」
ラ「わざわざそんな…。えっと、それから程なくして、妹のためもあり、父は義母を娶ることにしました。義母、メトリーは、最初こそぎこちなかったものの、次第に打ち解けてくれました」
シ「ふむふむ」
ラ「妹もよく懐き、物心がついてからは、おままごとやかくれんぼなど、義母と楽しく遊んでいました。あまりにも長く遊んでいると度々義母に叱られていましたが、それでも日々幸せそうでした」
シ「何よりだな」
ラ「はい。…そんな折、本当に突然だったのですが、義母メトリーが失踪したのです」
シ「ほう」
パ「あれは大騒ぎになっていたよね」
シ「なんだパンテーン。起きていたのか」
パ「話が長いと寝るヤツとか思ってんじゃねぇよ」
ラ「ハハハ…。でもパンテーンの言う通りで…。城中、また街中探し回ったのですが、結局見つからず…」
シ「手がかりもないと」
ラ「はい…妹もすっかり暗くなってしまいました」
シ「そうだろうな」
ラ「そして、その失踪と時を同じくして、怪奇現象と呼ぶべき事態が、ここに起こり始めたのです」




