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第104毛 必要
ヒルデさんは
きっと数え切れない程
罪を犯してきたのだろう
いや
ヒルデさんの尺度で見たら
罪ではなく仕事なのだろう
薄々
何か危険な仕事をしているというのは
分かっていた
ヒルデさん
悲しそうだ
僕も
僕も悲しい
ただ
ヒルデさん
僕にはヒルデさんが必要だ
ヒルデさんは
僕を必要とはしていないかもしれないけれど
必要とされるように
なりたい
なりたい
だから僕は
どんなヒルデさんでも
ついていきたい
僕も
支えていきたい
今
これを言おう
僕「………っ…僕は…」
………!?
この気配…
ジン!?
なぜ………
ジン!?まさか
僕「だめだジン!!ヒルデさんだ!!」
………
よかった
ジンが止まっ………
………え
ヒルデさん
………なんで…自分から…
ヒルデさんが
「これでいい…」と
呟いた気がした




