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第100毛 目撃
※100話達成です。
そして過去編クライマックスです。
生きようとする力は
時にとんでもないキセキを起こす
ボールドさんは
そう言っていました
私にとって
最後のショリにした人も
そのような人でした
こう言ってはなんですが
別に戦闘経験が豊富でもない
極めてショリに適した方だったのに
私は苦戦しました
「まだ死ぬわけにはいかない」と
………………………………………
私も
私も
同じ気持ちです
せめて
苦しまぬよう
一息にしたかった
ともあれ
これでもう
クルシマなくて良い
ウィッグくんのもとに行きたい
ウィッグくんのもとで生きたい
罪は消えない
だからこそ
たくさんの人を助けたい
私なりの
罪滅ぼし
まずはこの服を
いつものように洗わなくちゃ
…
……
………
なぜだろう
いや
わかる
気が緩んでいたのだ
これからの未来を
思い描いていたから
思い
描き過ぎていたから
だから
ウィッグくんが後ろにいることを
私は気づけなかった




