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⑴『エターナルの忘却』
⑴『エターナルの忘却』
㈠
遠くにあると思っていた、山々が、移動することによって、近づき、広大な景色をみせることがある。それは、絵画で言えば、遠近法の類であるが、現実、我々は、その距離を知ることで、充分に、美学を意識するようになると思われる。
㈡
しかしまた、地震などによって、山々が崩れ去り、形を変えてしまうことは、或る種の、エターナルの忘却に、当てはめられるだろう。いつだって、エターナルなものは、事実上、存在し得ないのである。我々は、科学で、その存在を、有限へと切り開こうとする。
㈢
一方で、ただ、エターナルなものが無い、ということが、儚き美を、現象させているとしたら、問題は、至極、複雑なのである。いつか、この地球も滅びるのだろうか。分からないな、エターナルの忘却に、俺は取り掛かろうとするのである。