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怪物先生と最強人間2  作者: 磯野洸輝
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第六話「能力」

 第六話「能力」

  僕はある変な夢を見ている。魚が納豆を食べている。そしてその魚が俺を呼んでいる。

「なんじゃこりゃー。」

 蒼龍は叫びながら目を覚ました。

「うぉっ。」

「ひゃぅ。」

「目覚ましたか?」

 蒼龍の横にハムちゃん先生・神崎・奥沢・劉淵がいた。

「おはようございます。気持ちよく眠れましたか?」

「えぇ。なんか変な夢見てました。ってかここは?」

「ここは保健室よ。気絶したあなたを先生が運んだの。」

「ありがとうございます。」

「いえいえ。元は私が変な飲み物を渡したのが原因ですので。すみません。」

「それより変な夢って?」

「なんか魚が納豆を食べている夢を見た。」

「とても健康に良さそうな夢ね。」

 神崎は苦笑いをした。

「ところで俺はどんな能力を得たんですか?」

「鏡を見てみろ。」

 蒼龍は鏡を見た。

 《嘘だろ。翼が生えてる。》

「それがお前の能力らしい。」

「本来能力はぶつかり合うと消滅してしまうものです。ですがあなたの体は能力全てに馴染んでしまい一人が複数の能力を得るという前代未聞の事を成し遂げたのです。」

「それでこの翼との関係は?」

「簡単に言うとあなたはもう人だけではありません。」

「人だけって?」

「簡単に言うと人魚やケンタウロスみたいな感じです。」

「つまり俺は人と鳥ってこと?」

「鳥ではありません。」

「蝙蝠?」

「違います。」

「龍よ。」

「龍?」

「あなたの場合能力が元から桁外れだから能力が最適なのを選んだの。」

「しかもその白い翼は聖天龍ジークフリートのもの。あなたは選ばれし特別な存在なのです。」

「先生、そのジークフリートってどういう龍なんですか?」

 奥沢は興味津々だった。

「聖天龍ジークフリートは昔、龍神戦争において、百万の大軍を一人で蹴散らしたという武勇伝があります。」

「凄いですね。」

「みなさんも聞いた事ありますか?リバイヤサン・九頭龍・八岐大蛇の名を。」

「聞いた事あります。」

「全ての龍を創造したのも聖天龍ジークフリートです。しかし困りましたね。」

 ハムちゃん先生は溜息をついた。

「困ったって?」

「あなたの今持っている能力は龍になるだけでなく、過去や未来を見ることが出来ます。そしてジークフリートの能力で龍を創造する力を得ました。このことを国が知ればあなたは処刑されるでしょう。」

「どうしてかしら?」

 奥沢は首を傾げた。

「彼が謀反を起こせば間違いなく負ける。それを恐れているからです。」

「そんな事しませんよ。」

「でも、彼らにはそれを信じることは出来ない。まず人ではないからと言われます。」

「やっぱり人として見てくれないんですね。先生、一つ相談があります。」

「なんでしょうか?」

「俺は能力を得なかったことにしてくれませんか?」

「その方がいいわね。」

「分かりました。ではそろそろ4時間目が始まるので先生はこれで。あなた方も遅れないように。」

 ハムちゃん先生は保健室を出た。

「ねぇ蒼龍君。」

「なんだ?」

「その翼どうするの?」

「念じてみよう。」

 念じてみると翼は閉じた。

「これでいいかな?」

「たぶん。」

 蒼龍は起き上がり教室へと戻った。四時間目が終わり生徒たちは帰りの支度を始めた。

「とある部活に入っている人は後で職員室に来てください。」

 蒼龍たちは支度を終えると職員室へと向かった。

「来ましたか。おや?矢田君はどこですか?」

「彼なら遅れてくるそうです。それより何かあったんですか?」

「これを見てください。」

 ハムちゃん先生は一枚の手紙を出した。

  拝啓

  最期の季節となりました。いかがお過ごしでしょうか?この度私たちはこの地球を乗っ取るべく三千の軍と四大将軍を率いて六月一日に侵略を開始します。まずどのくらいの兵力があるか知りたく誠に勝手ながら四月二十四日大怪獣ハムハムをそちらに贈りたいと思います。皆さんなら倒せますよね?結果を楽しみにしています。

 ワナワナ国カルビール兵長。

  敬具

「どう思います?」

「凄い親切ですね。」

「悪戯であってほしいですね。」

「何が悪戯であってほしいんだい?」

 矢田が入ってきた。

「四月二十四日にハムハムっていう怪獣をプレゼントしてくれるそうだ。」

 矢田は手紙を読んで唸った。

「んー。問題はどこに来るかということだ。」

「おそらくここだろう。」

「そうね。」

「あのー。」

 後ろを振り返ると短髪のボーイッシュな女子がいた。

「えっと君は?」

 蒼龍は問うた。

「私は羽沢有希子。よろしく。」

「よろしく。」

「ハムちゃん先生。ハムハムってどんな怪獣なんですか?」

「私にも分かりません。」

「先生。図書室はありますか?」

「二階にありますが。」

「調べてきます。」

 蒼龍は職員室を出た。

「君たちは一度家に帰って調べてみてください。今日はこの辺で。」

 そう言うとハムちゃん先生は職員室を出た。職員室には矢田と奥沢だけが残った。

「奥沢さんちょっといいかな?」

 矢田が近づこうとすると、

「来ないでちょうだい。」

 矢田を睨むと職員室を出て行った。

「まだあの事を・・・・・・。」

 一方蒼龍は、

「あった。怪獣・妖怪大百科。」

 一ページずつ調べたが載ってなかった。

「載っていましたか?」

 ハムちゃん先生がやってきた。

「載ってませんでした。」

「困りましたね。」

「俺は能力があるから大丈夫だとしても他の人は避難させた方がいいのでは?訓練したとしても間に合わない。」

「そうですね。ですが、心配するほどでもないでしょう。」

「そうだといいんですけど。」

 蒼龍は図書室を出て教室へと戻った。

「あっ、お帰り。」

「遅いわ。」

 そこに居たのは神崎と奥沢だった。

「久しぶりに一緒に帰らない?」

「そうだな。」

「そうね。」

 三人は教室を出た。三人はたわいもない話をしなが帰っていると鷹虎橋に近づくと神崎は止まった。

「蒼龍君ありがとう。」

「なにが?」

「覚えてないならいいや。」

 神崎は微笑むと歩き出した。

 第六話「能力」~完~

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