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怪物先生と最強人間2  作者: 磯野洸輝
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第三話「龍は将来を見据える。」

 第三話「龍は将来を見据える。」

  怪物は先生と名乗れるほどの学力はあるのだろうか?生徒を導けるのか俺は疑問に思った。

「では、最初の授業はなりたい自分についてです。この短冊に書いてください。」

 そう言うと一人一人に渡していった。

 《え?》

 生徒は驚いた。なんと、怪物は分身をしたのだ。

「先生は先程漫画が好きだと言ったのでね、なりきってみました。というより、コピーしてみました。ですが言葉遣いはコピー出来ないので話し方がコロコロ変わってしまうので注意してくださいね。」

 《何に?》

「ところで蒼龍君と劉淵君と奥沢さん。少しいいですか?」

「何か?」

「あなた達は今朝事件に巻き込まれていましたね。」

「どうしてそれを?まさか・・・・・。」

「ええ、周りにいた教職員は全部私の分身です。」

「それで?」

「あなた方は特別な部活動と生徒会に入ってもらいます。」

「分かりました。」

「あと、警察の方には理解頂けたようなので、下校時に行く必要はありません。」

 俺たちは席に戻り、なりたい自分を考えた。

 《なりたい自分ね。》

「ところで、先生。あなたの名前は?」

 金髪の男性は怪物に問うた。

「かかかかかか。いい質問ですね矢田太郎君。」

 《何その笑い方。怖。》

「私の名前は、アレクサンダー・ボルケーノ五世。通称ハムちゃん。皆さん、ハムちゃん先生と呼んでください。」

 《どこにもハムスター要素はないぞ。》

「見てください、このつぶらな瞳。」

 《どこが?その何者もひれ伏すような怖い目で?》

「見てください、このちっちゃな口。」

 《普通だな。》

「見てください、このちっちゃな手。」

 《だから、どこが?》

「あはは。ところでハムちゃん先生、僕たちと共にある目的を果たすって書類に書いていましたが一体どんな目的なんですか?」

 矢田は問うた。ハムちゃん先生は鷲塚を見た。

「それはこちらから話そう。」

 皆鷲塚に注目した。

「今、この地球は宇宙人に狙われている。だからこいつと共に地球を守ってもらう。それが目的だ。」

「宇宙人?そんな馬鹿な。」

「この怪物もその一人だ。理解できるな。」

「なんで、国は言わないんですか?」

「もしこのことが知れ渡ったら全世界が混乱する。」

「他の国は知っているんですか?」

「とりあえず各国の首脳は知っている。」

「でもなんで僕達なんですか?」

「君たちは共通して、一部の分野に優れているからだ。それに、宇宙人が先に占領しようとするのはこの日本国だ。だからこの国を守るために必要なスペシャリストを選んだというわけだ。」

「だからあんな人権無視みたいな契約書を。」

「すまないな。」

 空気はかなり重くなった。それもそのはず、未知の敵と戦う下手をすれば命を落としかねない。だが、矢田は違った。

「みんな、やろうよ。」

 《やろうって何を?バンドでもやるの?そういえばあの頑張り屋さん可愛いよな。》

 俺は不謹慎なことを考えながらも矢田がどんなことを言うか興味を持った。普通の奴なら逃げるか、逃げるの一択しかないからな。

「僕らがやらなきゃ誰がやるんだ?僕たちが逃げたらこの国は滅ぶ。僕達人間は無力だ。でも、無駄な抵抗だったとしてもこの抵抗が次の世代のバトンになる。それに、この地球を救えたら僕達は英雄だぞ。」

 《ほう。この矢田はリーダーシップがあるな。だが、ただの綺麗事を並べて論理っぽく言っているに過ぎない。英雄?ふざけるな。この地球を救ったら今度は我々が宇宙人呼ばわりされる。その考えの甘さに失望したな。》

「皆さん、この話は終わりにして短冊を書いてください。できた人から私の元に提出してください。」

 俺は短冊に、「あとで話がある。」と書き、提出した。

「ねぇ蒼龍君。なんて書いたの?」

 奥沢が問うた。

「内緒だ。そっちは?」

「私も内緒。」

 二人は微笑み席に着いた。ハムちゃん先生はその紙を見て蒼龍の席に来た。

「ではこの授業が終わったら職員室でじっくり話しましょう。」

 そう言うと、ハムちゃん先生は教壇に立った。

「通常授業についてですが、一様教師免許は持っていますので、全教科を教えます。ではこの授業を終わります。」

 チャイムが鳴り、蒼龍は職員室へと向かった。

「それで蒼龍君。話って?」

 ハムちゃん先生はクスクスと笑いながら問うた。

「俺の憶測でも構いませんか?」

「ええ。構いませんよ。」

「結論から言います。宇宙人との戦いが終わったら俺は必ず死にます。」

 職員室の向こう側から何か物が落ちる音がした。でも俺は気にしなかった。てか俺なんでこんな事を言ってるんだろう。

「それはどういう事ですか?」

 ハムちゃん先生の表情が強ばった。

「自分で言うのもなんですが俺は人並み外れた才能を持っています。」

「そうですね。あなたはこの国に必要な、いえ、なくてはならない人材です。きっとあなたは喉から手が出るほど欲しい人材になりますね。」

 強ばった表情から一変ニコニコ顔に戻った。

「果たしてどうでしょうか。」

 《なんで初対面の先生にこんな事言ってるんだろう。》

「?」

「少し話は脱線しますが、昔の話をしてもいいですか?」

「ええ。」

「あれは俺が小学六年生の頃の出来事でした。」

 第三話「龍は将来を見据える。」~完~


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