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怪物先生と最強人間2  作者: 磯野洸輝
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第一話「出会い」

この怪物先生と最強人間2は前の怪物先生と最強人間の最終話以外をそのまま記しています。

 第一話「出会い」

  暖かい風が吹き満開の桜が咲き誇りピンクの絨毯と化した通学路を歩く二人の男がいた。名を蒼龍政則という。彼は中学時代嫉妬の対象として、いじめを受けてきた。もう一人は劉淵颯太という。彼は蒼龍と出会い一緒に暮らすようになった。

「昨日の手紙を見たか?」

 劉淵は神妙な面持ちで話し始めた。蒼龍は頷きその手紙を出した。手紙を見ると中には「汝よ大志を抱く気はあるか?というのは建前で君たちはこれから強制的に新設校に来てもらう。指定された場所に来い。」と書かれていた。

「で、指定された場所がこのさくら通りなのだが一体何があるというんだ?」

 辺りを見渡していると一人の黒服がやって来た。

「あなた方は新設校の生徒ですか?」

「そうですがあなたは?」

「申し遅れました。私は藤堂と申します。」

「僕は劉淵でこちらが蒼龍です。ところでなんで僕たちが新設校の生徒だと思われたのですか?」

「そちらの方が持たれている紙を私共も持っているのでもしやと思い、声をかけたのです。」

「ということは、藤堂さんもこの学校へ?」

 蒼龍が問うと藤堂は首を横に振った。

「いえ、行かれるのは雪乃様です。」

 そう言うと藤堂は駐車場へ行き車の扉を開いた。すると、座席から一人の女性が降りてきた。長髪で足が細く、容姿端麗な女性だ。

「初めまして、私は奥沢雪乃です。これから三年間よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

「ところで藤堂、今日は来ないのかしら?」

 藤堂は時計を見た。

「おそらく、もうそろそろ来ます。」

 二人はなんの事かと首を傾げていると、歩道から不審な男がやって来た。

「来たのね・・・・・。」

「あちらの方と何か関係あるのですか?」

 劉淵が問うと藤堂は頷いた。

「あちらは雪乃様を付け狙うストーカーです。何度も言っているのですが聞いてくれないんです。」

 奥沢は蒼龍を見て、

「蒼龍といいましたか?申し訳ないけど私の彼氏のフリをしてくれないかしら?報酬はいくらでもあげますので。」

 と言った。蒼龍は頷き、

「了解。でも報酬は要らん。」

 そう言うと蒼龍は彼氏のフリを始めた。奥沢は小声で、

「報酬が要らないなど貴方おかしいのでは?」

「これは人助けであって仕事ではない。それに、困った人を助けて見返りを要求するような下等種族と一緒にするな。」

 奥沢は驚いた表情でこちらを見つめていた。不審な男はこちらに近づき、

「おい兄ちゃん。人の女に手ーだすとはいい度胸じゃないか?」

「だからあなたと馴れ合う気は無いと何度も言っているでしょ。私はこの人とお付き合いをしてるのですから。」

 奥沢はすぐさま否定した。不審な男は蒼龍を睨み、

「おい兄ちゃん。死にたくなければ今すぐ別れな。さもないとお前はここが墓場になるからな。」

「別れる気はない。それに朝っぱっから物騒なことは言うもんじゃない。」

 蒼龍はすぐさま反論した。

「小癪な、死んで後悔するがいい。」

 不審な男はトラックに乗り、こちらに猛スピードで迫ってきた。さすがにやばいと思った奥沢は逃げるよう言ったが蒼龍は立ち止まっていた。

「何をしているのかしら?早く逃げなさい。」

「大丈夫。」

 蒼龍を連れ戻そうとしている奥沢を劉淵は止めた。蒼龍はトラック目掛けて走り、

「眼には眼を歯には歯を悪には鉄槌を。」

 そう言うと、宙に舞い上がり一撃でトラックを粉砕した。トラックは粉々になり道路にもヒビが入った。それを見た藤堂と奥沢は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。乗っていた不審な男は恐怖と生命の危機を感じすぐさま逃げていった。

「蒼龍、手加減はダメだろ。」

 劉淵の言葉に更に2人は驚いた。

「え?手加減していたの?」

「埋めた方が良かったか?それとも投げ飛ばした方が良かった?」

 《何言ってるのかしらこの人。このトラック大型よ。》

 奥沢は混乱していた。一旦状況を整理していると騒動を聞きつけた警察がやって来た。

「何かあったのですか?」

「僕たちこれから学校があるので後でいいですか?」

「しかし・・・・・。」

「とりあえずざっくり言うと、この人のストーカーに轢き殺されそうになったのでトラックを殴っただけです。」

 それを聞いた警察官は理解できなかった。むしろ理解出来ても納得はできない。

「おーい」

 セーラー服を来たおじさんがこちらにやって来た。警察と蒼龍たちは汚物を見るような目で変質者を見た。

「君たち遅いじゃないか。お仕置きするわよ。」

 《は?キモ。》

「えっと・・・・・あなたは?一旦署まで・・・・・。」

 警察は無線を手に取った。完全に不審者扱いされている。

「私はこういう者だ。」

 セーラー服おじさんは慌てて名刺を渡した。

「ほう、新設校の校長先生ですか。」

 蒼龍たちは汚物を見る目というより暖かい目をしていた。

 《校長先生か・・・・・。余程辛い人生を送っていたのか・・・・・。》

「これはサプライズ衣装だ。」

 校長先生は公衆トイレに走って行った。しばらくするとスーツ姿の校長がやって来た。

「どうじゃった?いいじゃろセーラー服。似合ってた?褒めて褒めて?」

「えっと・・・・・その・・・・・。」

 奥沢は言葉を濁すと、

「校長先生何やっとんですか?自粛してください。通報されそうになるのこれで五度目ですよ。」

 校長先生が先生に叱られていた。

 《五度目って多っ。》

 他の先生も続々来だした。どうやらこの先生たちもサプライズとして潜んでいたようだ。現場確認を終えた警察は蒼龍たちの方に行き、

「確かに後の方がいいですね。では時間と場所を指定しますので学校が終わったら来てください。」

 そう言うと警察は現場を離れていった。蒼龍は劉淵と話を始めた。私は蒼龍をじっと見た。

 《なぜかしら?私は彼をどこかで見たことがある気がする。それに懐かしく思える。それに、私を助けてくれた彼に似ている。けど思い出せない。一体あなたは何者?私と会ったことがあるの?なんで私はこんなにも彼のことが気になるの?》

「何かあったのか?」

 俺は奥沢に声をかけた。彼女は微笑み、なんでもないと言う。俺は彼女の笑顔を見ると、幼い頃を思い出した。

 《あの笑顔変わってないな。小学校以来か・・・・・。覚えているかな?あの日の約束を・・・・・。ね、雪ちゃん。》

 三人は校長と別れ、彼女の車で学校へ向かった。新設校はここから約三キロメートル離れていた。四天王橋「鷹虎橋」を渡り伯珪峠を越え、道中の桜並木を眺めていたら車が止まった。どうやら着いたようだ。蒼龍たちは車から降りると呆気に取られた。新設校はとても広く、グラウンドも読売軍が使用する球場がスッポリ入るぐらい広かった。それに、プールもある。

 《広い。あと、すごく広い。》

 蒼龍と劉淵は藤堂に礼を言い校舎へと入っていった。

 第一話「出会い」~完~

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