刀匠、魔剣を打つ
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また、誤字脱字報告非常に感謝しております。
修正させていただきました。
片刃の長剣で、刀身が薄い橙色。
前世の記憶にも登場し、この世界の古い文献にも登場する魔剣。
その名は
「『魔剣レヴァンティン』。」
太古の昔、この世界に存在したと言われる7振りの魔剣。
現存するのはその後作られた劣化版の魔剣のみ。
ギルドマスター達から頼まれたジュワユースは太古の魔剣の一つ。
そして、今、俺が新しく作り上げた魔剣レヴァンティン。
これも、太古の昔に現存したとされる7振りの1本。
見た目は文献に残されていた物そっくりに仕上っている。
それに、俺が転生する前に見たゲームや小説に登場する類似品とも近いフォルムをしている。
子供の頃からそういうゲームやら本が好きで、それが拗れて鍛冶師になったと言っても過言ではない。
刀を好きになったのはもちろんそうだが、やはり魔剣とかそういうものにも心を惹かれるわけで。
「俺が魔剣を作るなら、最初はレヴァンティンを作ろうとか思ってたけど、古い文献に載っている炎の魔剣と見た目似てるなぁ、とか思っていたんだけど、ケルのその反応からすると、名前も一緒?」
『一緒ですね。地上に現存する文献にはその名前は残っていないはずですが、主様の前世の記憶を参照するとそういった名前がちらほらありますから、偶然の一致、でしょうか。』
偶然かぁ・・・。俺はそうは思わないけど。
まぁ、そこは今は置いておこう。
だが、俺の手で魔剣を鍛える事が出来た。
その事実で今は胸がいっぱいだ。
それに、この出来ならば、刀を作ることも問題なさそうだ。
『ぬ、主様?あの、この魔剣、おかしくないですか??』
「なにが?」
『いや、なにがって、ちょっと魔眼で見てください、鑑定してください。』
なにがそんなにおかしいんだろうか。
とりあえず、言われたとおり見てみる。
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種類:魔剣(長剣種)
銘:レヴァンティン
品質:S
切れ味:AAA(鍛錬制限)
耐久値:780+200/780+200
基礎属性:火・光
付与魔法枠:5(残り0)
付与:硬質化・炎熱刃・魔障壁・耐低温・耐高温
説明:アルバスが鋳造した魔剣。太古の昔に作られたものには劣るが、非常に強力。
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・・・なんで光属性が付いている??
俺特になにもしていないぞ?
一応俺の今できる最大の加工をしたはずだけど、それでも太古の魔剣には劣るのか。
しかも切れ味に付いた鍛錬制限の文字。
これも結局はスキルの制御が掛かったって事か?
『そういうことですね。ただ、それでも本来ならAAAランクの切れ味すら生み出せないはずなんですけど・・・。』
自分の権能のはずなのに、ずっとうなっている。
ケルビムがわからないことが俺にわかるわけもない。
「まぁ、出来てしまった物はしかたがないとして、さて、これどうしようかね。」
これはまた表に出しては行けないものを作ってしまった。
ただいずれ使うことになるだろうし、なんだったらそのうち陛下に献上してもいいかもしれないけど、まだ劣化版って事を考えると、これを献上するのも考え物だ。
とりあえず、色々考えながらも鞘を仕上げて納める。
今度鞘と柄用に布とかも仕入れないといけないかな。
『私が悩んでいるのもお構いなしに主様はマイペースですね。』
「俺は考えてもわからないことは考えない主義なんだ。それに、智天使であるケルがわからないことを俺がわかるわけがないだろう?」
『まぁ、それはそうなんですけど。とりあえず、特に主様の体に異常もなさそうですし、いいんですが・・・。』
制限が掛かっているのにそれ以上の事をすれば体に何らかの負荷が掛かるはずだが、それも特にない。
というわけでもう考えない。
そのうち理由はわかるだろうし。
『それもそうですね。ちょっと私は上司に呼ばれたのでこれで失礼します。』
「あ、そう。わかったよ。困ったら呼ぶからちゃんと答えてくれよ?」
『善処しますが、私も結構忙しいのでお答えできないときもありますので。』
なんというか無責任だな。スキルの権能でもあるんだよな?
『あ、忘れるところでした。もし今後、どうにもならない自体に陥った場合は、智天の書庫の技能『天使降臨』を使用してください。これは主様が危険に陥ったときにしか使えない技能ですのでお気を付けください。』
「なんか、物騒だな。」
『なにもないに超したことはないんですけどね。それでは。』
なんというか、これから何か起こるのを前提にした言い方だったよな、まったく。
とりあえず、レヴァンティンはしばらく封印・・・いや、待てよ??
そういえば偽装の魔眼ってまだ使ってなかったけど、これって物にも使えるのか?
隠蔽は自分のステータスを隠蔽することは出来たけど、そういえば物には試してなかったな。
「それじゃあ、試しに・・・『偽装の魔眼』」
お、あんまり頭痛しないな。
頭の中に使い方が一気に流れ込んでくるがそんなに苦にならない。
やっぱりステータスの偽装隠蔽だけじゃなくて、物にもかけることが出来る、と。
更には鑑定では見抜くことも偽装に気づくことも難しいと。
・・・これは、便利だな。
早速レヴァンティンに偽装を施してみる。
「あれ、けど俺の叡智の魔眼だと偽装剥がれちゃわない、よな・・・?」
とりあえず、見てみる。
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種類:長剣
銘:レーヴァ
品質:C
切れ味:C
耐久値:200
基礎属性:
付与魔法枠:1
付与:
説明:アルバスが鋳造した長剣
偽装を発見 解除しますか?
Yes/No
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お、大丈夫だった。
偽装を解くか解かないかは任意で選べるのか。よしよし。
「まぁそれでも、あいつらの武器を作るのに魔鉄はやりすぎだから、やらないけどさ。」
偽装をできるのであれば、中くらいの性能に見せかけて作ることは可能だが、そんなことをしたら色々と面倒くさそうだ。
特に事情を知ってるミネルヴァ辺りからは詰問されそう。
それに、威力が弱いと思っている武器でそれ以上の力が出てしまえば、訓練だとしても死に直結する可能性だってある。
「それでも、少しはいいものを渡してあげたいけどね。」
とりあえず、錬成鉄を使って何本か剣を仕上げる。
形状を変え、長さを変え、片刃、両刃など。
錬成鉄は鋼と比べても非常に頑丈で、やっぱり玉鋼に似た材質に感じる。
ただ、魔力を載せるのには向かない為、練習用や量産用には向いているが、実戦重視では難しそうだ。
あと、玉鋼と比べると、刃を薄くしすぎると脆くなる。
これでは意味が無い。
今のところだが
鉄<鋼<<錬成鉄<<玉鋼(?)<<<<魔鉄
と言った具合だろうか。
用途や付与の種類による部分もあるが、おおよそ間違いはないだろう。
そんなこんなで作業に没頭すること数時間。
気がつけば10本作ってしまっていたわけで。
ショートソード、ロングソード、ナイフ。
それから槍の穂先を数本。
槍の柄に関してもデッドラプトルの骨で十分代用出来た。
頑丈さも申し分無し。これならセインも納得することだろう。
そして問題が、例の魔鉄で作ってしまった剣。
しかも形状的にはまだこの世界にない部類らしく、名称未設定と。
まぁ前世の記憶から引っ張り出した形状だからね。
それでも、似た形状のものは多いはずなんだ。
「さて、どうしたものか。」
目の前にはオレインに見せた魔鉄製の物の他に、錬成鉄で再度作った同じ剣。
性能はやはり差はあるが、十全たる出来栄え。
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種類:カットラス(片刃剣)
銘:
品質:A
切れ味:AA
耐久値:150/150
説明:アルバスが鍛造した魔鉄製の剣。この世界に初めて生み出された特殊形状の剣で、風魔法との親和性が高い。魔剣には届かないが非常に強力な性能
付与魔法枠:5
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これが、魔鉄製。
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種類:カットラス(片刃剣)
銘:
品質:B
切れ味:B
耐久値:150/150
説明:アルバスが鍛造した錬成鉄製の剣。取り回しやすい形状。魔力親和性は低い。
付与魔法枠:1
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こっちが錬成鉄製。
うん、十分。
とりあえずオレイン用で2本、ジェシカ用で1本ずつ仕上げた。
対抗戦はこっちで出てもらおう。
・・・ミスリルを使って作るのは今はやらないよ?
それに、今の技能じゃ最大限生かすことは難しいだろうし。
とにかく、まずは対抗戦で勝てる性能を優先する。
それから、剣の名称。
これは前世の記憶から持ってきた『カットラス』に。
元々モチーフはそれそのものだったので、そのままの名称。
いやしかし、まさかこれを作ったのが俺が最初とは思わなかった。
そういえば、弓と鞭の作り方。
これはむしろ鍛治術・創の方で問題なく行けそうだ。
それこそ刃を作るわけじゃないから、割と簡単だった。
ただ・・・
「あいつらが求めてるのって、これじゃないよな、うん。」
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種類:鉄鞭
銘:
品質:B
切れ味:--
耐久値:200/200
説明:アルバスが鋳造した鉄鞭。打撃に特化しており、柔軟性はない。
付与魔法枠:1
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そもそも鞭と言うよりも、多節棍だとおもう。
これはなんか違う。取り急ぎは封印です、物騒すぎる。
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種類:複合弓
銘:
品質:B
切れ味:--
耐久値:150/150
説明:アルバスが作った複合弓。錬成鉄と木材を組み合わせて作られている。非常に頑強で攻城戦でも使える性能。
付与魔法枠:1
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うん、これはいいんだ、複合弓しか今は作れないし、いいんだけどさ。
攻城戦で使えるってなに?!
そんなに火力高い弓に仕上がってどうしろと
これもとりあえず封印。
「これは、まじで材料のこと考えないと危なすぎる。」
この2つが正直1番作るのが大変かもしれない。
ものを作ることは好きだから、そもそも新しいものを作るのは構わないんだが、こうも上手くいかないと、なんとももどかしい。
今のレベルに合わせた性能で、ただしっかりと対抗戦では戦える性能。
「とりあえず、明日は図書館に行って、弓とか鞭とか、その辺のこともう少し調べるか。」
やるならとことん。
昔から変わらない俺のモットー。
「アルバス様、今よろしいでしょうか。」
「アシュリーか。どうぞ。」
屋敷側の扉から入ってきたアシュリーはなにか手に持っている。
「ただいま戻りました。無事全員引越しも終わりましたのでまずはその御報告を。」
「おや、もうそんなに時間が経っていたのか。ご苦労さま。」
時間も見ず、作業に没頭していたが、アシュリーが帰ってきたと言うことは昼は過ぎているのだろう。
「それから、ミネルヴァ様からお荷物をと、言付けを預かって参りました。」
「手紙の件かな。」
「はい。取り急ぎ、シグネト様を来週から当屋敷へ向かわせるとのことでございました。また、今後の事も踏まえ、翌週いっぱいは学園の方は休んで構わない、とのことでございます。」
「・・・これは、1週間使って仕上げろと言うことかな。」
「詳しい内容は伺っておりませんが、シグネト様がご存じかと思われます。」
「そっか、ありがとう。それと、荷物はその箱かな?」
さっきからアシュリーの手元にある箱が気になってしかたが無い。
「はい。どちらに置きましょう?」
「そのまま、そこの木箱の横に並べておいてもらえるかな。」
「かしこまりました。」
木箱の横に荷物を置き、一礼して立ち去るアシュリー。
エミリアといい、アシュリーといい、メイドにしておくにはもったいないぐらい所作がきれいだ。
没落貴族の出、とかじゃないよな。
・・・やめよう、なんか嫌な予感もする。
「それよりも、荷物を確認っと。」
アシュリーが持ってきた箱。
デッドラプトルの素材が入った木箱よりだいぶ小さく、そんなに容量はなさそうだ。
箱を開けると、そこに入っているのは魔法の袋、それも以前作って渡したもの。
念には念を、といったところだろうか。
魔法の袋を取り出し、中身を改めると、約束のミスリルが入っていた。
だが
「・・・この量は、想定外ですがね。」
入っていたミスリルは部隊全員分の武器を作っても余りあるほどの量。
この量をどうしろと。
・・・まぁ魔鉄研究の素材にさせてもらいますけど。
それから併せて、手紙も入っていた。
この手紙からは嫌な予感しか感じないけど。
手紙を開き、検める。
「・・・まじか。」
手紙には簡潔に一文が記されていた。
『陛下からの追加報償としてミスリルと、1人、婚約者を贈る。』
「爆弾にも程があるだろうが・・・!!!」
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