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刀匠、稼ぐ

午前中の座学も終わり、午後の実技教練の時間。

ミネルヴァと共に2人の男女が教練棟にやってきた。


「それじゃあ、早速行こうか。」


ミネルヴァが先導して教練棟の中を歩く。

普段だったら屋外の武術訓練場か鍛冶施設に向かうが、今日は違う。

俺が持ち込んだ革袋の扱いについて、そして諸々の確認作業の為に時間を使う。

向かった先は魔道具製作を行える工房。

鍛冶施設と違い、炉はなく、材料となる魔石や若干の特殊鉱石が置かれた倉庫が併設された作業室。

今日は魔道具関係の教練は別のところで行うことにしたらしい。

他の学級には申し訳ないが、正直ミネルヴァの取り計らいに感謝だ。


「オリバー、防音の結界を。」

「既に張っております。」

「ん、流石だ。」


最後尾に付いてきていた執事服を身につけた偉丈夫がミネルヴァに指示されるより早く防音結界を張った。


「さて、アルバス。この2人は私の側近の中でも各種魔法や生産技術が高いだけでなく、古代文明に関する研究をしている者たちだ。特にシグネトは裁縫術、付与魔法ともに高いレベルで扱う。」

「よろしくお願いいたします、アルバス殿。私、シグネトと申します。」


ミネルヴァの横に付き従っていたメイド服の女性、シグネトが一礼する。

俺も軽く会釈を返し、机の上に革袋を広げる。


「これが、魔法の袋ですか。触ってみてもよろしいですか?」

「ええ、どうぞ。」


革袋手に取り、隅から隅までじっくりと眺める。

眼が皿になるのではというほど、食い入るように。

時に魔力を手にまとい、革袋全体に魔力を流しながら。

口を開き、ポケットの中からハンカチを革袋の中に入れ、また取り出す。

目元に興奮の色が見える。


「ここまで完璧な状態の魔法の袋は初めて拝見しました。これを、貴方がお作りに・・・。」

「ええ、鍛冶の副産物、と言いますか。」

「私も、よろしいですか。」


結界を張っていた偉丈夫、オリバーがいつの間にかシグネトの横に立っていた。


「ええ、もちろん。」

「オリバーはこう見えて手先が器用でね。彫刻術と刻印式魔道具制作が得意なんだ。」

「恐縮です。」


シグネトから革袋を受け取ったオリバーが同じように革袋を眺める。


「この口紐の内側に陣を描いているわけですか。」

「お分かりになるんですね。」

「ええ、魔力の流れから考えて、ここであることはすぐに。空間魔法はその名の通り空間に干渉する魔法。そう考えると、出入り口に何かしらの細工がされているであろうことは以前からあった仮設なのです。」


革袋を机に置きながらオリバーが答える。

さすがに、古代文明の研究もしているだけのことはある。

ということは、ほぼほぼ古代文明が残したものと作りは一緒、というわけか。


「私は、主より1つ魔法の袋を賜ったものがございます。それがこちらなのですが、1つ大きな違いがございます。」


シグネトがいそいそと1つの革袋を取り出した。

見た目は俺が作ったものより一回り程小さい。だが、大きな違いが一か所。


「口の部分についているこれは、魔石、ですか?」

「いえ、これは感応石といわれる品物です。所有者の魔力を感知し、そのもの以外は開けることができない仕組みが、これには組み込まれているのです。」


なるほど、盗難対策、と言うわけか。

古代文明も防犯には躍起になっていたようだ。


「ですが、この感応石はそれなりの魔力保有者でなくては反応させることができない為、今の市井では活用することは難しいかと。王家や魔力を多く保有する人にとってはこれほどまでに強固な守りのものはありませんので。」


それもそうだ。

別の空間、要は別次元にものを隠すことができる。俺自身が使う収納魔法とは別空間に保管されることを考えれば、魔力波長でこの袋にかけられた収納空間に干渉できるかどうかを決めることができるならこれ以上の防犯機能はない。


「この感応石は書き換えや譲渡はできるものなのですか?」

「ええ、一応先代のメイド長から譲り受け、主より許可をいただいた際、魔力波長の書き換えを行いました。それ自体は対して難しい行為でもございません。現存する魔法の袋は全て、同様の処理がされております。」


つまるところ、大昔は誰でも使える魔法の袋よりも、セキュリティガチガチの魔法の袋が優先して作られていた、と。

まぁその方が安全ではあるんだろうけど、そうなると一般市民には行き渡らせることはできないだろうな。


「そうなると、感応石を準備してからではないと量産はしない方がよさそうですかね。」

「いや、そういうわけでもない。というよりも、今はその感応石が非常に高額なのだ。それに、採取ができる鉱山は今現在魔物が占領していてそうやすやすと採掘に向かうことができない。」


あらら、じゃあ、普通の魔法の袋しか作れない。しかしだ


「王家に献上するのであれば、このままではいささかまずいです、よね?」


正直ミネルヴァが使う分や学級事で共有するために準備するのであればそこまでの準備はいらない。

だが、王家に献上するとなればそういうわけにもいかない。

何かあったときに国の宝を隠すためにもし使うとすれば感応石がなければ有事の際には持ち出すことなんて容易になってしまう。


「いや、まったく在庫がないわけではない。王家に献上する分はこちらで準備する。」

「そういうことですか、わかりました。」


献上品はそりゃ手を抜けるわけないか。在庫があるならそれを何個か融通してもらえないだろうか。

それよりも、まずはやることをしなければ。


「ではさっそく、既存の魔法の袋と同様、しっかりと収納ができるのか、どこまで収納できるのかを実験するとしましょう。」


先ほど机の上に置いたものとは別にもう1つ準備していた革袋を置く。

こっちはまだ付与を完了させていないものだ。

口の部分をほどき、カバンから羽ペンとインク壺を取り出す。

これはもちろん、マナダイトを溶かしたインクだ。

昨日同様、魔法文字を描いていく。口を止めていく、最後はしっかりと円を描く。


「これが今作ったものです。まだ魔力を通していませんが、少し細工をしてあります。」

「細工、ですか。」


みんな首を傾げているが、シグネトは何か思い至ったようだ。


「もしや、容量の差が出るように、ですか?」

「ええ、そうです。正直このあたりの魔法文字は何度か試さないと正解は導き出せないと思いますが・・・。」


昨日作った方には特にそういった記載はしなかった。というより、そこに思い至らなかった。

だとすれば、恐らく許容量はかなり大きいはず。

逆に今回作った方には許容量に関する記載をした。

但し、それでもこの革袋の本来の許容量の10倍。


「オリバーさん、この新しい魔法の袋に、そこの倉庫に入っている鉱石を詰め込んでみてください。」

「わかりました。では、お借りいたします。」


新しく作った方をオリバーが受け取り、倉庫へ向かう。

中から鉱石が山積み入った木箱を持ってきた。

マナダイト鉱石だが、元々の塊であればこのサイズの革袋で10こも入ればパンパンだ。

オリバーが革袋に対して魔力を流し、鉱石をどんどんと袋の中に入れていく。


1...2...3...


だんだんと入れていく数が増えていく。


7...8...9...10...11...


革袋の本来の許容量を超えた。それでも外見に変化はない。まだまだ薄っぺらい革袋のまま。


17...18...19...


その後も順調に進む。

気が付けば、既に許容量の9倍は入った。


「99、100、101・・・アルバス殿これ以上は入りそうにありませんね。」

「ざっくりですが10倍の許容量になった、と。なるほど。これなら容量をもう少し増やしたりできそうです。」

「何?アルバス、どういうことだ?」


これまで黙って流れを見守っていたミネルヴァが食いついてきた。


「この魔法の袋ですら発掘されたものと比べても2倍近い容量があるぞ。それを、まだ増やせる?」

「ええ、これは記載する魔法文字の文法によると思いますが・・・。まぁそれは今度実物をもってご説明します。」


正直、すべてを説明しようとすれば小難しい話になる。

そう思い、今回は説明を割愛。

取り急ぎ実験は成功だ。

今回刻んだ魔法文字には『従来の10倍』と刻んだ。

つまり、革袋の容量に対して10倍の空間を広げるという魔法だ。

空間魔法はまだまだ奥が深そうだ。


「しかし、この短時間でそこまでのことがわかるとはな。オリバー、シグネト、私が傑物というだけのことはあるだろう?」

「ええ、彼はすごい逸材ですね。」

「ぜひ、いろいろとお話を伺いたい限りですわ。」


3人の視線が痛い。

そんなこと言われても、俺は元来鍛冶師なんだけどな。

・・・こんなもの作っておいて何言ってるんだって思うだろうけどさ。


「さて、それではこのまま実験を続けましょうか。」


そのあとは繰り返し実験を行った。

シグネトが準備してきた革袋に同じように魔法文字を刻んでの実験。

容量も何パターンか刻み、正確にその容量を生み出すことができるかどうか。

魔法文字の耐久度の実験も行った。

実際どの程度で消耗するのか。もちろん切り裂いてしまえばダメだろうが、液化鉱石を使ったインクは非常に頑丈だが、実際問題はどうなのか。

結果として、容量はある程度融通が利きそうだ。

耐久度も申し分なく、やはり直接魔法文字を破壊しない限りは問題はなさそうだ。

複数の魔法の袋がある状態でそれぞれの収納にも異常はなかった。

これで、量産しても問題がないことは確認が取れた。

だが、このまま量産しても販売する方法も、量産するための仕組みもない。

取り急ぎは必要数を俺が制作するということで話はまとまった。


「十分すぎるほどの成果だな。」

「ええ、ご協力ありがとうございます。」

「いや、こちらとしても失われた技術の復活をこの目で見ることができたのだ。礼を言うのはこちらだ。」

「それで、学長。取り急ぎは先ほど実験で付与した分で大丈夫ですか?」

「ああ、使い勝手もいい容量のものを作ってもらったからな。これで構わないよ。」


実験で作った魔法の袋5こを今はオリバーが持っている。


「ほかの物品にも恐らく問題なく付与できると思いますが、もっと簡略化できないか、時間を見てやってみます。それまでは必要な場合は革袋を細工する形で作ります。」

「ああ、それで頼む。シグネト、あれを。」

「はい、ミネルヴァ様」


シグネトが今まで持っていたものとは別の革袋を持ってくる、


「こちらが今回の代金です。お納めください。」

「あ、ありがとうござい、ま、す・・・?あれ、えっと・・・?!」

「ん?少ないかな?魔法の袋5こ分で合計金貨200枚。」

「いやいやいや多すぎますって!」


金貨200枚。革袋パンパンに詰まった金貨がそこにあった。

1こ辺り金貨40枚・・・。おおよそ、1こ辺り400万円、5つで2000万って・・・。

いくら何でも、もらいすぎだ。


「何を言っている。遺跡から発掘された魔法の袋の相場は1こ辺り金貨20枚はくだらない。出てくる数が少ないのと、基本的に買えるのは貴族か一部の豪商程度。それが新品で今後量産できることを考えれば、技術に対する先行投資だ。これは学長としてではなく、ルーネスタリア家当主としてだ。今後もし市井に出す場合は改めて相談しよう。」

「は、はい・・・わかりました、ありがとうございます。」


1日で大金持ちだ。一般的な平民だとこの額を生涯で稼ぐことができるかどうか。

実家だったらまた別かもしれないが、冒険者で大成したとしても、ここまで稼ぐには数年は最低でもかかる。

ちょっと、理解が追い付かないが、今は考えることを放棄しよう。

受け取った金貨の袋を革袋ではなく収納魔法でしまう。


「では、我々はこれで失礼するよ。後日量産に関しては相談するとしよう。」

「あ、はい。わかりました。あ、この後鍛冶施設を使用してもいいですか?」

「ん?ああ、構わないよ。今日は教練も入っていない。このまま向かってくれて構わないよ。ではな、アルバス。」


オリバーとシグネトを引き連れてミネルヴァが部屋を後にする。

俺も、行くとしよう。

とりあえず今は気持ちを入れ替えるために、鎚を振るおうか。

鍛冶施設に入り、火を入れる。

収納魔法から素材を取り出し、準備をする。

準備を進めながらも、頭の中は整理が追い付かない。


「金貨200枚か・・・。家を買うの、現実的になってきたな。」


都市によって異なるが、一般市民の家はおおよそ金貨10枚。

こじんまりとした平屋作りだ。

そのため、賃貸がほとんどだが商人や冒険者上がりの者が買い上げていることもある、

下級貴族の家でおおよそ。金貨100枚。

これならば手が出る相場だが、求めるものが違う。

俺がほしいのは鍛冶をするための炉や作業場を併設できるもの。

そうなるとやはり通常よりも広い物件になる。

となると、場所も限られるし、金額もそれ相応に高くなる。


「やっぱり、冒険者の依頼、もう少し高難度のものを受けないとか。それに、魔法の袋を一般的に売り出すことが決まったら、いわゆる不労所得が手に入るわけだが、まぁその辺の利権は知らん。あとは学長に任せよう、うん。」


後ろ盾になってもらう言質は取っている。

つまり、丸投げである。

そんなことを考えていたら、炉も暖まった。

精錬した鋼を鉄鋏で炉にくべる。

熱を加え、じっくり待つ。

懐中時計を取り出す。

今の時刻は午後3時を過ぎたくらい。


「さて、それなら今日はちょっと大きいのにしますか。」


ここ最近練習がてら打っていたのはナイフがメインだった。

依頼で魔物盗伐系が増えてきたこともあり、解体などでナイフを使う機会も増えた。

そのため、いくら鍛冶術の補正と加護で耐久値や切れ味が高くとも、魔物の血で劣化することに変わりは無かったため多めに生産していた。

おかげで鍛冶術のレベルも上がったわけだが。


熱がこちらに伝わってくる。

適温ををこちらに伝えてくる。

炉から取り出し叩く。

鉄を打つ時とは違い、鋼のほうが固い。

それにだが逆に固すぎると強い衝撃で砕け散る恐れがある。

だからこそ適度な粘り気を出す必要がある。

鎚を振るい、水に落として焼き入れをする。


それの繰り返し。

何度も何度も作業を繰り返す。

叩いて延ばし、焼き入れをして焼き戻しをする。

形を整え、刃を研ぐ。

目釘穴を開け、一度刀身を立てかける。

別に熱していた鉄を使い鍔を作り上げる。

少し長めの柄を仕上げ、金床に準備する。

茎に彫刻刀を使い魔法陣を刻み込む。

溝にマナダイトのインクを垂らし、魔力を込めて定着させる。

鍔を取り付け、柄を嵌め込み、目釘を打つ。

刀身を再度磨ぎ、鞘を仕上げて納めれば、完成。


「よし、できた。」


仕上がったものに対し、鑑定を使う。


————— ————— ————— ————— —————


種類:ロングソード

銘:

品質:A

切れ味:B++

耐久値:200+100/200+100

付与:硬質化、鋭利化

説明:アルバス=セルタニスが仕上げたロングソード。鋼を主材料にすることで硬質化している。


————— ————— ————— ————— —————


「よし、問題なしっと。」


今回は鋼を使って頑丈さを重視した。

というのも、あまりにも鋭さを重視しすぎると普段使う時に目立ちすぎてしまう。

もし、戦争なんかが起きればそんなことも言ってられないだろうけど、今のところはそんなことも無さそうだし。

さやから引き抜き、数度振るう。

片手で持つにしても適度な重さ。

さすがに今の自分の身長では大きすぎるが、ただ今後必要になる可能性もある為、作っておいた。

作れるものは多いに越したことはない。


「っと、もうこんな時間か。」


懐中時計は午後6時近くを指していた。

急いで片付けを済まして教練棟を後にする。

宿舎に戻りながら今後のことを思案する。

魔法の袋に関しては十分すぎる成果と言われたが、まだほかにもできることがあるんじゃないかと考えている。

だがまぁ、そもそもそっちは本職ではなく自分が使う上で作った副産物なので、そこまで本腰入れるつもりはないが。

錬金術を使った鍛冶への応用、これが出来れば、色々と便利になりそうなんだけどな。


「おい、そこのお前。」


それが出来れば苦労しないんだよな。そういえばメラダイトの加工、収納に放り込んだままだった。あれは次回だな。


「おい、聞いているのか!!」

「ん?あ、俺に言ってました?」


考え事に集中しすぎていて全く聞いていなかった。

寄宿舎に向かう途中の道でいつの間にか囲まれている、この状況は何?


「ふん、お前、不死鳥学級の者だな。」

「ええ、まぁ、そうですけど。なにか御用ですか?」

「俺様は黒獅子学級にエミール=ルドラニカ。ルドラニカ子爵家が長男である。」

「はぁ、そうですか。御用がなければ帰り急ぎの用があるのでさっさとどいてくれます?」


エミールと名乗った金髪の男のこめかみに青筋が浮かぶ。

絡まれるいわれはないんだが。


「貴様、俺様が直々に声をかけてやっているというのにいい度胸だな。」

「そうだぞ、エミール様は子爵家の跡取りにあらせられる!」

「それなのにお前と言うやつは何たる態度か!」


周りの取り巻きがとにかくやかましい。

ざっと見回す限り10人ちょっとってところか。

このエミールという男を中心にした派閥ってところか。


「まぁいい。貴様、名前は?」


そんなことも調べずに来たのか。こいつ。


「アルバス=セルタニス。」

「ふん、聞いたことも無い家名だな。どうせ騎士爵家の出だろう。お前、俺様の派閥に入れ。そうすれば今までの無礼も許してやらないことも無い。」


あ、俺こいつ嫌い。

そもそもうちの実家辺境伯だしね。

えーっとたしか、ルドラニカは・・・


「・・・西方のルドラニカ子爵家のご子息様は、貴族家系図を読んだこともないようですね。」

「ふん、そのようなもの見ずともお前のような男、見ただけで下級貴族とすぐにわかるわ。どうせお前の父も貧相な男であろう。」

「・・・王家が定めた法によれば、自分の爵位より低い家の者が上の家の者を貶めることは厳罰に処す、だったか。クーデターや罪人以外にはこれが適応される。そして、処断する際はその場で当人が下しても構わない、と。」

「何をぶつくさ言っているのだ。派閥に入るのか、否か、早く答えろ。まぁ否と答えたところでお前はこの場で私刑になる訳だが。」


いやらしい笑い声が周りから聞こえる。

寄宿舎まではまだそれなりに距離があるため、他に人はいない。


「誰がお前みたいなやつにヘリくだらなければ行けないんだ。俺が下に見られるのは構わないが、父を侮辱することは許さん。」


自分にかけていた負荷を解く。体が一気に軽くなる。

エミールを思いっきり睨みつけてやると、1歩後ずさる。

本能的に分かればいいが、まぁこいつは無理だろう。


「大人しく下につけばいいものを!お前ら、やれ!」


周りを囲んでいた男たちが一斉に襲いかかる。

手には武器は持っていないようだが、バレないようにナックルガードをつけているものも居る。


「ふん、学長に気に入られたからとえらぶっていたお前が悪いのだ。せいぜい後悔しながら死ね。」


こいつは相当な馬鹿らしい。うん、そういうことなら容赦しない。

殺しはしないが、許しもしない。


「これで正当防衛、だな。」


ロングソードを収納から引き出し、鞘にに収めたまま腰だめに構える


「さぁ、殺ろうか。」

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