劇場
2
丁度お昼ご飯を食べ終わった頃。
公園のブランコがカランコロンと音がする。
ドボルザークの夭折が天才を意識する。
肩がいからせている。カレイラは旅に耐えた。
カレイラは風を受け止めている。
明日から帰ってきたのである。
未来?OK。スマイルが大切だ。
月無き御空のカレイラ仁王様だ。
カレイラは考えた言葉を言い表す声を失っていた。誰かと話す事がなくなっていたのだ。論理は空を舞い、調べた文字は全て便になって下ってしまう。そんな事や、もっとも、他人に対してさえ気持ちが伝わると言うことがなかった。それで良いってことが分からずに、それでも自由は感じていた。不自由の中の自由。
ぬくもりが
足を伝って
手・首に来た
しっかりしよう。もし仮にカレイラがいなくなった世界で、戦争が起きようと、誰もカレイラがいなくなった事を知らないだろう。
秋の日に
何の不安があるだろうか
カレイラの口からは言えなかった。
そこはかとない不安な気持ちが
青空から呼び声となり、響きあうのだった。
それは変だった。ちゃんちゃらおかしい。
カレイラは考えた。少しお腹がいっぱいになったことと暖房のせいで。
眠気はあったが。
寒そうに襟元を正しながら、街をゆく。
カレイラは劇場に着いた。颯爽と流れ、雰囲気のある会場を駆けた。
演奏が始まり、ソリストが艶やかにピアノを弾き始めた。
徐徐に昂奮が高まり、劇場全体が熱い一体感を感じさせた。
万感の拍手があり、ブラボーの声が上がった。
大満足の公演であった。
言いたい事はカレイラの考えていないことであって、カレイラが今現在地点にいるところとかなり差があって、話し合うところがなかった。カレイラはそれで充分ととらえた。