最終回
17
どうしても目移りしてしまうカレイラが、たどり着いたのが牧師さんだった。
嵐の夜に、カレイラは懺悔をする。
ー私とアナスターシャは結婚しました。
けれども、お寺には見放されてしまって、どうしても、他の女性に目移りしてしまいます。どうすればよろしいですか。
ーそうか。アナスターシャだけを愛せないか。ではあなたの罪として、離婚ということになる。よろしいか。
ー構いません。辛いのです。私はこれ以上アナスターシャを愛せないのです。
牧師さんの元を離れ、家路へ着いたカレイラは、全てアナスターシャに本当のことを言おうと決意した。それには多少の勇気がいった。
家にはアナスターシャがいつもと変わらぬ仕事をして待っていた。
ーお帰りなさい。
ーただいま。アナスターシャ、実は話したいことがあるのだ。
ー何ですの?
ー僕と別れてほしい。
ーえっ?
アナスターシャは息を止めんばかりに、仕事の手を止めた。
ー牧師さんのところで、離婚の話をしてきた。もう君とは暮らしていけない。
ー・・・。
ーごめんなんだけど、承諾してほしい。
どうやらアナスターシャは泣いているようだ。
ーわかってほしい。これで全部終わりだ。
ーわかりました。私とはもう暮らせないのですね。
ー・・・・。
今度はカレイラが絶句。
ーじゃあ、明日までに荷造りして、家を出て行きます。夕飯はどうなさいますか?
ー食べる。
ーでは夕飯の支度を致しましょう。
ー待ってくれ。僕はパンだけで良い。君の分だけ作ってくれ。
ー・・・・。
カレイラとアナスターシャの最後の夕飯はこのように、別メニューとなった。
明くる朝、荷造りを済ませたアナスターシャの目には、昨晩の涙はなかった。
ーそれでは、私は実家に戻ります。長い間、二人で楽しかったです。ありがとう。
ーこちらこそ、ありがとう。
アナスターシャは行ってしまった。
カレイラは一人暮らし直さなければならない。
またカレイラは心を入れ替えて、女性に目を向けずに、教師として、生活して行くのであった。




