三年という月日
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三年の月日が流れた。その間、カレイラの教師の収入とアナスターシャの家計術でなんとかかんとか凌いでいた。
そうした家庭の事情で目一杯の日々を送るしかなかったが、幸せだった。
家庭菜園で採れたトマト、バジルを料理して、ピザを焼き、休日を過ごす。
そして慌ただしい毎日を送りながら、アナスターシャも家庭を守るので必死だった。
カレイラは、他の女性に目をやると必ず神に懺悔した。
ーアナスターシャごめん。
愛とは築き上げた後、もろく壊れるのも速いと思われる。
愛の輪の中にいる時はそれが見えない。出会っても、いつでも二人の愛に気づくことでお互いにとって重要な一つとなっていった。
このまま、時間がうまく過ぎて行ってくれれば良いと思っていた。
暑い夏には外を歩き、寒い冬は家で過ごす。当たり前の生活ができるだけで、他に何にも要らなかった。
二人の結合は減って行ったが、愛し合うこととして食事を共に食し、休日はできるだけ一緒に過ごして、お互いの愛を確かめ合った。できるだけ、相手を思っていることを、悶々としてストレスのない夫婦間でいようと努めた。
カレイラの仕事の質も変化した。
数学の担当を任されることになり、科学分野への興味も目覚めた。
カテキンの分子式は?
睡眠について。
太陽光発電の電気代の安くなる可能性は?
いくつか、本当に知識が増えていく。
アナスターシャは家事の合間に文学の方を読む。古典が主だったが、現代作家のもので珠玉の作品を選んでは読み進めた。




