表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
起死回生ブレーキ! 二木粟生井鉄道  作者: 髙津 央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/65

40.提案に乗る

 ニローだ。



 〈こちらこそ、ありがとうございます。

  新作、わざわざ描き下ろしてくださったんですね。

  白百合農園の場所をご存知ですか?

  農園の直売所で、このDMの画面をお互いに見せっこして本人確認。

  その時に使用料とイラスト制作費、新作イラストの引き渡しを同時にすると言うのはどうでしょう?〉



 薄々わかっていたが、やはりそれ以外ないようだ。

 近所の(よしみ)で、顔の見える関係を築いた方が良さそうな気がしてきた。


 ニローの提案に乗ると決め、お礼を返信する。

 二、三やり取りを重ね、引き渡しは会議の翌日に決まった。


 カレーを食べながらタイムラインを見る。新規フォロワーにフォローを返し、いいねとリツイートにまとめて礼をツイートする。いつもの作業を済ませ、告知を打った。



 〈コラボ第一段は、二木粟生井(にきあおい)鉄道沿線の白百合農園さんです。

  グッズや発売時期などの詳細は、後日改めてお知らせします。

  地元で有名な観光農園です。

  最寄駅は国包駅。みんな、これ読めるかな?〉



 白百合農園の公式サイトへのリンクを貼ってツイートすると、あっという間に拡散された。ツイートに駅名の読み方の答え「くにかねえき」や、質問がつく。



 〈むちゃくちゃ遠いんですけど、通販やってくれますか?〉


 〈ご質問、ありがとうございます。

  通販につきましては、白百合農園さんのご判断になります。

  私からはお返事できません。ごめんなさい。〉



 頭を下げる絵文字を付けて返信すると、すぐにいいねとお礼のコメントが付き、それも拡散される。

 ニローからダイレクトメッセージが届いた。



 〈電車に乗ってもらう為のコラボですからねぇ。

  売れ行きを見て、通販は春休み明け……

  いや、ゴールデンウィーク明けくらいに考えてみようと思います。

  何にしても、商品が完成してからになりますね。

  今は何とも言えませんよ。〉



 一緒にタイムラインを見て共に考えてくれることが心強い。

 三木はすぐに心からのお礼を返し、タイムラインに戻った。

 ニローの回答を二木あおいの言葉に翻訳してツイートする。



 〈三月末までは、お得な乗り放題の切符があります。

  遠方の方も、春休みやゴールデンウィークを利用して乗りに来ていただけましたら嬉しいです♪〉



 割引乗車券の写真と、大手鉄道会社のターミナル駅からの乗換え案内を付けてツイートする。

 沿線イベントの案内ツイートと、イラクティブ掲載イラストのツイートも流す。二木鉄主催イベントのリストは、テキストにまとめてあり、写真もフォルダに分けて用意している。それをコピペして、イベント当日朝まで時間を置いて何度も流すのが、ここしばらくですっかり習慣化していた。


 ねとにゅ~の記事以来、券売機の日締め処理でいつもより心持(こころもち)、増収の手応えがある。

 「#二木粟生井鉄道」で検索すると、切符の写真付きツイートが数件ヒットした。その中から「二木あおいちゃんの記念硬券出ないかな」というつぶやきをみつけた。


 ……いや、それはもう、夢のまた夢だから。


 印刷コストが高い上に売れ残ったら目も当てられない。


 ……ん? あ、でも、記念スタンプとその台紙くらいだったらいけるよな?


 乗り放題の切符がある時期なら、そこそこ集客できると思い、スタンプラリー自体は先日、メールで提案したばかりだ。資料に他社の成功例を添付したが、あの様子では目を通したとは思えない。


 台紙をコンビニのネットプリントで出力できるようにして、各駅の改札内に一駅ずつ異なる図柄のスタンプを置いてラリーをすれば、全線乗ってもらえる。終点の改札外で景品と引換えればいいだろう。


 次の「二木鉄の乗客を増やす会」の会議で改善案を発表すると決め、三木はカレーを食べながら詳細を練った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ