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起死回生ブレーキ! 二木粟生井鉄道  作者: 髙津 央


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29.グッズ製作

 西口の返信かと思ったが、違う。

 知らないアカウントからの@ツイートで、業者からの依頼だ。

 こんな時間まで仕事をしているのかと驚いたが、〈詳しくはDMでお願いします〉の言葉に従い、フォローしてDMで話しかけると、即レスされた。



 〈早速のお返事、ありがとうございます。

  キャラクターグッズ製作販売の株式会社ニコパと申します。

  「二木あおい」グッズの製造許可をいただきたく、ご連絡差し上げました。

  マグカップとTシャツの二種類を考えております。

  許可をいただけましたら、一週間後には貴社に試作品をお送りします。

  ご了承後、最速十日後には販売を始めさせていただきたいと考えております。

  よろしくご検討をお願いします。〉



 初めて目にする社名だが、DM末尾のアドレスで検索すると、自己紹介の通り、主にアニメやゲームのキャラクターグッズを製造販売する企業で、その筋では有名な大手らしい。


 社名の「ニコパ」でも検索してみたが、特に悪い評判は出て来なかった。

 火消しに金を掛けているのかもしれないが、そこまでは確認しようがない。


 ……世の中にはいろんな商売があるんだなぁ。


 鉄ムスのグッズも取り扱っている。一番人気の商品らしく、通販サイトで特集が組まれていた。

 個人でもオリジナルグッズを製作できる。最少は三個からで、少ないと一個当たりのコストは割高になるが、在庫リスクを考えれば、却って赤字は少なくなりそうだ。


 ……このブームがいつまで続くかわかんないけど、もし、もうしばらく続くんなら、何か作ってみようかな?


 製作費の表を見た限り、白百合農園からのキャラ使用料から西口への支払いを差し引いた五千円では、販売規模の個数は無理だ。万単位で自腹を切る勇気は、今のところない。

 このグッズ販売が成功すれば、ブームを少しでも延命できて乗客を増やせるだろうか。


 ……十日。


 それまで、このブームが終息しないように煽り続けなければならない。

 いや、それ以前にグッズ見本が本社に届いたら、何も知らない本社の社員に潰される可能性が高い。


 だが、三木は最年少の駅員で、社内での発言力はないに等しかった。


 会社の正式な業務なら、著作権は二木鉄に発生するが、三木の依頼は二木鉄の業務と言うには微妙だ。

 キャラデザした契約社員の西口は、二木あおいの著作権を持っているが、彼女が言えば「会社の看板に泥を塗った」などと言い掛かりを付けられて、雇用契約を解除される懸念があった。


 DMのスクショを西口に送り、スマホを握りしめて考える。

 その間にも励ましの声が続々と届く。



 〈あおいちゃん、ひょっとしてこの間、会議に出てた?

  みんなで一緒に頑張って二木鉄を盛り上げようね♪〉



 見覚えのないアカウントからの言葉にギョッとしたが、いつの間にか相互フォローしていた。

 非公開リストにも入れている。

 二木鉄の乗客を増やす会に加入したママ友サークルのリーダー「ののママ」だ。


 ……これだ!


 他にも励ましツイートをくれたママ友サークルのメンバーに丁重なお礼だけ返信し、リーダーにDMを送る。



 〈ののママさん、夜分に恐れ入ります。二木あおいの中の人です。

  ねとにゅ~の記事をご覧いただき、ありがとうございました。

  大きな話題になったお陰で今とても注目されて、コラボ依頼も来ました。

  非公式キャラなので、私一人では本社の許諾を得るのが難しい状態です。

  非常に厚かましいお願いで恐縮ですが、お力添えいただけないでしょうか?〉



 既に一時を回っている。子供の夜泣きは大丈夫だろうか。

 食べ終えたカップ麺の汁を捨てているところへ返信があり、慌ててスマホを撫でた。

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