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23 係員は〇〇〇コーナーへ・・・

ピロンピロンピロン

あ、メールきた

俺は懐からスマホを取り出しメールを確認する。

差出人:管理者 

件名:業務連絡 

本文:ギフトの能力を一部修正いたしましたのでご確認ください。

テナントの有効化:据付のタッチパネル販売機をご利用ください。

商品の持ち出し管理レベルを設定できるようになりました

一部商品を入れ替えました。

アプリ使用権設定:販売用スマートホンで使用を許可するアプリを設定できます。

鑑定:ステータスの表記を修正いたしました。


あなたの忍耐に感謝致します。


・・・・・

タッチパネル販売機? ああ、回転寿司で見た事のある装置があるな。

パネルを覗き込み操作する。あ、ソフトクリームがある。久しぶりだな、注文してみるか・・・選択して発注・・・代金が250円・・・あ、金が無い。部屋に財布置いたきりだ。

俺はダッシュで部屋へと走る。


「お、お館様!?どうしたんですか」


なんか黒足が言っているが、今はソフトクリームだ。財布をつかみ戻ってくると、画面はまだ同じ表記だった。よし、紙幣投入口に1000円を入れて、確認を押す。これで発注が確定した。


ポーン


軽い電子音が響きカウンターにソフトクリームが現れ、起立している。コーンタイプなのに倒れてないのは魔法的な効果かな。

俺は恐る恐るソフトクリームに手を伸ばし掴む。ソフトクリームは突然支えを失ったように俺の手にその身を預けてくる。ゆっくり、ソフトクリームを口へ運び舌を出して舐める。冷たい。そして懐かしい甘味だ。夢中でソフトクリームを舐める。


「お舘様、それは食べ物なのですか」


不意にかけられたレオノールの声に顔を上げれば、周囲に人だかりができ皆俺を凝視していた。まずい、ここで何を言うか、その言葉によって俺の立場に影響を及ぼす気がする。考えろ俺、最高の言葉でごまかすんだ。


「・・・・・・長老、長老は気がついていると思うが、俺は長老の親父さんと同じ世界からこの世界に連れてこられた。そして、俺が食べているこれは俺の世界の氷菓子で、非常に貴重な品物なんだ」

「わかっておりますぞ、それがソフトクリームと言う物ですな。ワシの親父が『あ~~暑い、ソフトクリーム食べてえ、カキ氷くいてえ』とよく言っておりましたぞ。異世界の至高のデザートをこの目にできるとは、ワシも長生きしたかいがありました(棒)」


長老、乗ってくれてありがとう。しかし、長老に演技を求めた俺のミスだったな。周囲の視線がじと目になってしまっている。


「「「「「「「おいし~~~~~~い」」」」」」」


え?皆が一斉にカウンターを見ればリリパットがカップ入りのソフトクリームに群がっている。おい、お前らそれ俺のつり銭で買ったな、それは泥棒だぞ。


“ピンポ~ン 係員と警備担当者は直ちにフードサービスコーナーに向かってください”


「「「「「「え?」」」」」」

「お舘様、今の声は何ですか」

「いや、俺も初めて聞いた」

「声?何か聞こえた~~?」

「声?聞こえないよ~」

「聞こえないね~」

「・・・どういうことだ?今の声が聞こえたものは手を上げて」

手が上がったのは俺、レオノール、黒足、モーブ、シデン、ランデン長老だけ・・・。

「今の声は何ですか」

声とともに走ってきた者が居た。族長、アリスタン、レオーネの三人だ。


“ピンポ~ン 係員と警備担当者は直ちにフードサービスコーナーに向かってください”

なんだこれ、放送内容と聞かせた対象からして、何らかの犯罪があって警備員を呼んでいるわけだよな。何の犯罪だ、万引き?窃盗?・・・あっ」

「お前らちょっと全員並べ」

「「「「「「何~~うわ~~」」」」」」

カウンターのリリパットを全員集め、両手で一まとめに掴む。

“ピンポ~ン フードサービスコーナー解決しました”

俺がこいつらを泥棒と思ったからかな。


「俺が入れた金で買っていたので泥棒として、担当者に通知されたらしい」

「「「「「「え~~普段ただで、食べてるのに~~~」」」」」」



その後システムアップグレードがあった事を説明し、それによる仕様変更で犯罪通知されたことを話した。


「なるほどな。これからはきちんと金を使っていくなら良いんじゃないか」

「そうじゃの、きちんと売り買いするなら大事じゃな」

「それで、どうやって貨幣を使っていくんです?」


言いながら皆俺に向け手を差し出してくる。もちろん手の平を上に向けてだ。一般的にこの仕草は“ちょうだい”のしぐさだ。うん、お前ら金が欲しいならそう言おうな、人は会話ができる生物だぞ。


「ああ、それだが先ずは、エルフ村の品物で実際にやってみせよう」


うん、各代表者は我慢しような。俺の財布に入ってる金にも限度があるんだよ、中身置いて行くから喧嘩せずに分けて食べろよ。だから種族代表は少し我慢しろよ、お前ら大人だろ。

俺はレジに行きレジ台下に入れてあったバーコードリーダーを持ち出す。これは販売用ではなく買い取り用の品で無線式になっている。


「召喚、芋鳥」

俺の右手に魔方陣が現れ手の中に重みを感じる。その瞬間しっかり両手で掴んで逃がさないようにする。

「モーブちょっと持っててくれ」

モーブに芋鳥を預けると、バーコードリーダー型の読み取り端末を構え芋鳥に当てる。


ピッ 買取値段5000円


「この芋鳥は買取で5000円だな。この値段は個体差と希少性などで変化するからずっと同じ値段ではないぞ」



ここで俺は昨日のエルフ村でのやり取りを思い出す。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「まずこれが村で飼育している鳥で、村では芋鳥とよんでます」


俺達はガイアンに頼んで村の家畜飼育場に案内してもらい、飼育担当者から家畜を見せてもらっている。

ようやく戦闘が終結し、昨日本来の来訪目的である交易の話を切り出し、俺の拠点で提供できる商品を説明したが、一方的に売るのではこちらに全くメリットが無いので、エルフの村に交易品足りえるものがあるかどうか、確認させてもらうことになった。俺の拠点は白米やレトルト、数種の生野菜などがあるが、食肉に関しても狩りはできるが、家畜が居ないので得られない物も多い。そこで家畜を見せてもらい可能なら分けてもらおうと相談したところ、快く案内してくれたというわけだ。


「芋ですか、それはこの鳥が食べるとかですか?」

「いや、芋は食べませんよ。主に昆虫や葉物野菜や穀物を食べます。名前の由来はタロイモに似てるからですね」

「もしかして、タロイモも栽培されてるのですか?」

「ええ、村で栽培していて、よく食べますよ」


タロイモって里芋みたいなのだっけか? 拠点の商品に里芋の苗があったような気がするけど、里芋って畑より水田みたいな所の方が収穫量が良いんだよな。ここは水路があるしエルフが栽培してるなら、大規模に栽培してもらってうちに回してもらうよう交渉するか。


「後で、その芋の取引についても話せますかね? それから、この芋鳥についてですが、これの卵はどの程度の大きさで、数はどのくらい産みますかね」


芋鳥とやらは鶏的な存在の鳥で、羽は退化してほとんど残っていないので飛べないが、代わりにそこそこ足が発達している茶色い丸っこい鳥という感じだな。・・・・つーかこれ、嘴が長ければキーウィじゃないか?

確か地球のキーウィは絶滅しそうなんだよな。飛べない野鳥だから肉を食べる生き物に捕食されやすいのもあるけど、産む卵が大きすぎて鶏のようにポコポコ産めるわけじゃないので、年間で2~3個の卵しか産まないはずだ。


「これが卵です、数は・・・そうですね、5日で3~4個ってところですかね」


見せられた卵は、鶏の卵と同程度の大きさで、数も鶏並みに産むらしい。

俺は黒足に耳打ちする。


「あ、はいそうですね、代わりに聞きます。あの、この鳥は肉も食べられますよね」

「もちろん食べられますよ。この鳥は同種で群れる習性があるので、見えるようにして柵に入れておくと野生の鳥が集まるので、集まってきた野生のオスを罠で捕らえて食べるのが多いです」

それは良い習性だな。鳥を捕る罠もいくつか考えられるから戻ったら作ってみよう。そして俺の特性は、メチャクチャ不便だな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「それは、その一羽の値段ですか?そして、5000円とはどの程度の価値ですか」

「ああ、これ一羽の値段だ。他の固体やオスは当然値段も変わるぞ。5000円と言うのはだな・・・うちの商品には値段が書いてあるから見てもらえばわかるが、例えばこの皿は400円だな。それから種類にもよるが、安い酒だと軽く10人分ぐらいは買えるな」

「何、酒じゃと!ここは酒も扱っているのか?どんな酒が、どれ程あるんじゃ」


横からドルトンが食い込んできた。

「酒はあの辺にあるぞ、モーブか黒足に説明してもらうといい」

「うお~わしに酒を見せてくれ~~~」


そして、ドルトンと彼に同行していたドワーフが酒コーナーに突撃していった。


「まあ、あっちはあれでいいな。次はタロイモだな」


タロイモは・・・お、結構高めだな。


「このサイズ10個で、買取が500円の売値で550円だな。逆にうちで扱ってるジャガイモは、このサイズ10個で売値が500円だ」


「ジャガイモ?これは毒芋ではないのですか」


ガイアンがジャガイモを見て顔をしかめている。この世界にもジャガイモあったのか?


「いや、このジャガイモにもいくつか品種があって、見た目の色や形が違ったりするからガイアンのいう毒芋が同じ物かはわからないけど、ジャガイモは保存の仕方と食べ方を間違わなければ、毒の心配はいらないぞ。毒があるのは芋から生えた芽と変色した皮だからな。見た目がこの状態のジャガイモはまったく問題ない」


タロイモというけど、里芋に近い品種なので、ジャガイモと比較するとちょっとジャガイモのほうが大きい。まあ一応買取なので、一割乗せさせてもらったが、これは従来の商品化とは違う方式だ。

これまで俺が商品化したものは、既存の商品とまったく同じ扱いになる。10個あったのを、一度商品からはずし、再び商品化すると最初の10個+新規10個で翌朝には商品数が20個になる。同じ方法でタロイモを商品にしてしまうと、最初の一個があれば、後は無限に増やせてしまうので、それではいくら払えば正しい取引になるのかわからない。なので、俺が商品化するのではなく、きちんと店の機能で値段を決め、仕入れて商品として売ることにした。この方法は売れたら終わりで、自動で商品が増えることは無い。ただ、店内にある間は劣化もしないので、売れ残りが古くなって廃棄するという現象が起きないため、その分俺に有利な仕様だ。


「卵は・・・一個200円だな。やはり回収が難しいからかな」


超高級品と言う程ではないし、江戸時代の卵価格よりは安いかな? あの時代だと町民の一食分の食費より卵の方がずっと高い感じだからな。・・・まあ、ご飯と漬物数切れの野菜の煮物を一食と考えた場合だけどさ。基本的に日本は白米が食べられて幸せ~な感じの粗食が普通だったからな。むしろ都市部より農村の方が卵のような傷みやすい食品を手にいえ易かったかもしれない。まあ、田舎は大家族だから、一人で一個なんて事は無いけどな。

それはともかく、この店でジャガイモの売値と比較した場合は、やはり高級品に感じるな。仮にだ、仮にマヨネーズを作ろうとした場合、すっげー高いよな。



次回20日20時予定です

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