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19 エルフ村防衛戦 終戦

「全員物陰に退避、火魔法部隊着火」

「「「「炎よ!全てを燃やす紅蓮の炎よ。我が望むその地で弾け全てを飲み込み燃し尽くせ」」」」


「焼き払え!」


うん。一度言ってみたかったんだよ。


ドドドドオオオオオオオオオオオオンンン!!


「「「「「「「「「ギャアアアーーーーーー」」」」」」」」」

「「「キャー」」」」

「「「「「「うわー」」」」」」


そして、狙い通り、爆音と共に、火炎魔法と気化ガソリンが一気に燃え上がり、爆発炎上する。更に風の渦が火勢を強め、周囲の魔物を飲み込み更なる業火が荒れ狂う。駐車場から森側に弾かれた魔物はだいぶ・・・というか森側はほぼ全滅だな。吹き飛ばされ火に巻かれ、これで全体の半数は削れたようだ。味方も少々びびったり叫んだりしてるが許容範囲だ。

・・・・・・・てか・・・・・・・・・・魔法こええええええ。冷静装って分析してみたけど、俺メチャクチャ心臓バクバクいってるよ。いや、マジで“爆発してくれ”って神頼みしたくなる成功率だと思ってたのに、想像以上の火勢と爆発力なんだけど!ガソリンは気化した状態で一定範囲内の比率で空気と混ざらなければ爆発しないのに、魔法が混ざったらとんでもないことになったじゃないか。


「ケント、次はどうする?指示をだしてくれ」

「お?・・おう・・・次は、水堀及びその付近の魔物に弓撃ち開始。投石機は森付近の魔物に投石開始。水堀の対岸にあがられないように、火炎壺で火を放ってくれ。モーブは魔物が湧いていたあたりに、数個火炎壺を追加して、その後はスプリガンを最優先で攻撃してくれ。あいつらが居なければ、ゴブリンは混乱して戦うどころでは無いはずだ。戦闘が苦手なものは、最初の弓を射たら後ろに下がってユニットハウスに避難。念のため自衛用の弓と矢を持っていってください。指示を聞いたものは自分の所属部隊に指示を伝えてください」


俺は大声にならないように注意しながら周囲に指示を飛ばす。俺の声を聞かれると魔物に作戦が筒抜けになるって言うのは、非常に厄介な特性だよ、この特性が無ければ拡声器で全体に指示できるんだけどな・・・。

森を見れば阿鼻叫喚の地獄絵図だ。風魔法で空気を操っているから、匂いはあまり感じないけど、火に巻かれて悶え苦しむ姿は敵とはいえ気持ちの良いものではないな。


「ケントさん水堀から上がった奴が防壁に取り付きました」

「ガイアン、槍で防壁の隙間から突いてくれ。殺さなくても水堀に落とせば良い。徐々に弱るだろうからな。それでも処理が間に合わないようなら一度広場に入れて、罠を使ってユニットハウス内から弓で撃つ。対岸側に上がる奴で弓を持ったものは、なるべく速めに排除してくれ。」


「お館様、一部のゴブリンが逃げ出しました」


お、いいねいいね。


「スプリガンが死んで暗示効果が薄れているんじゃないか? 弓に自信のある者はスプリガンを攻撃してくれ。巨人は頑丈だが、変化前のドワーフタイプのスプリガンなら普通の弓で十分通じるはずだ。巨人化したスプリガンは強弓を撃てる者が攻撃してくれ」

「防壁もちません。一部崩されそうです!」


見れば多数のゴブリンが防壁に張り付き無理やり押し倒そうとしている。まあ、防壁に接してる奴は仲間に潰されそうだけどな。しかし、どうやって水堀から防壁を押してるんだ?


「召喚で障害物をそこに設置する。魔法陣が出たら離れろ」


俺は消火器を召喚し防壁へ走り、防壁を押している奴らに消化剤を吹き付けると、慌てて下がろうとする。そこで、拠点で販売している一番小さなログハウスを壁の内側に出して防壁を押しとどめる。


「窓ガラスは割って構わない。小屋の中から窓越しに攻撃してくれ」


水堀を見れば死体が溜まって足場ができている。こんな状態でもスプリガンが引かないとなると、全滅するまで突撃してくるつもりなのか?動物というより昆虫のような感じだな。


「敵が火の玉を撃ってきました」

「延焼しそうなら消化玉をぶつけて消してくれ」


「全員ユニットハウス内へ移動。門を通して広場で迎え撃つ」


門前の広場にはユニットハウスを、隙間無く設置してある。その並びは長方形を形作り、出入り口の門を塞ぐユニットハウスを取り除けば、コの字の追い込み罠になる。


「送還、ユニットハウス」


魔法陣が通路を塞ぐユニットハウスの上から降りてくると、分解されるようにそのユニットハウスが消える。そして、障害物が無くなり一気に村内の広場へ魔物が雪崩れ込んできた。敵の残数は300匹程か?できる限りこの広場に引き入れなければ・・・。


「投擲部隊のエルフは残りの投擲壺を、弓と近接部隊はそれぞれ戦闘の用意」


やがて広場の中は通勤時の電車並みに、魔物で一杯になり、周囲のユニットへ攻撃を仕掛けてくるが結界で守られているので全く問題ない。


「送還、鋼材及び鉄板一式」


魔物たちの足元がぼんやり光ると、一瞬で地面が無くなり魔物は落とし穴に落下して、穴の底から生えた針山に貫かれる。この針山は土を固めて円錐状にしたもので、アース・ニードルとでも言えばいいかな。

串刺しになった奴と、落下時にの下敷きになった奴とで、動ける奴は半数程度になったかな。


「投擲部隊は、落とし穴に火炎壺投入。火魔法部隊は普通に着火してください」


やらないとは思うけど、戦場の興奮で過剰な魔法を使うと俺達もやばいからな。

そして、落とし穴に火が踊る。・・・・ああ、臭い。距離が近いと肉が焼ける匂いがきついな。


「風魔法部隊は穴の内部でゆるい風の渦をおこしてください。風はとどめず上空へ逃がす感じでお願いします」


少しは匂いがましに成るし、満遍なく穴の中が燃えるだろう。


「穴から出そうな奴は弓で射て、穴から出たものは槍で突け。窓と入り口から攻撃するんだ。絶対にユニットハウスから出るなよ」


穴の壁は土魔法で固く平に仕上げてもらったので、手掛かりになりそうな突起は無いし、指が食い込むような硬さでもない。穴を出るには魔物同士で山を作って出るしかないが素直に下敷きになる奴も居ない。それでもどうにか出てくる奴は居るようだが、そんな少数なら冷静に対処すればなんら問題ない。

そして・・・・

スマホを取り出しナビを見る。画面には赤い光点も黄色の光点もない。


「出てきた敵は全て殲滅した『おお・・・』と思うが、この穴の中は確認し切れてないかもしれないから注意してくれ。俺達は森の火を消してくる」


・・・・・


落とし穴に再び蓋をして、俺は2tダンプを召喚する。


「俺のチームとガイアン達は一緒に来てくれ」


皆を荷台に乗せる。あ、黒足とレオノールはちゃっかり助手席ですね。



「召喚、駐車場」


火災部分に駐車場を召喚し土地情報を保存せず、送還することで、燃えた木を消し去り地面を露出させる。と、いう作業を数回行い、森への延焼を消し止める。


「この辺だと思うんだけど、何かあるか?」


一見森から出てくるように見えて、ナビでは森に反応が無かったから、このあたりに何か秘密があるはずなんだが・・・・。


「あ、あそこの木に何かあります・・・いや、無いのかも?」


どっちだよ。

レオノールがいうが、意味がわからんよ。


「これは・・・魔道具の一種じゃないですかね?」

「魔道具?これが?」


ガイアンの言うそれは、森の端に立つ一本の木に空いた四角い穴と木の幹に見える扉と、そこに刺さる一本の鍵だった。穴は真っ暗というか真っ黒というか、とにかく何も見えない。周囲は俺の消火活動で更地になっているのに、一本だけ木が残っている。これ、偶然残ったのか?それと、この鍵?なんか、未来から来た青狸が持っていそうな道具なんだけど大丈夫か?扉とか輪とかテープとか、似たものはあるよな。鍵はどうだっけ?


「ドワーフが何か知っているんじゃありませんかね?」


あ~そうだな。ドワーフだかドヴェルグだか分からないけど、だいぶ居たよな。あいつ等を呼び出して聞けば分かるかな?


「とりあえずこれは抜いておきましょう」


え?

俺の驚きなど知らぬと、レオノールが鍵を抜いた。


「あ、消えた」


鍵を抜いた直後扉と木の幹に空いた穴が消えて、木そのものも焼け焦げた姿になり崩れ落ちた。それは何処にでも生えている普通の木の残骸になった。


「もしかして、その鍵を挿すと扉と穴ができて、魔法や自然の驚異にも影響されないのか?」

「恐らくそうでしょうね。万が一敵戦力が残っているとまた出てきますから、抜いたのはたぶん正解ですよ。しかし、エルフもあまり魔道具には詳しくないので、推測でしかありませんよ」


「そうだな・・・じゃあ、敵の追加も来ないなら村に戻るか」


後で鑑定すれば何か分かるだろう。


次回12日20時予定です

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