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目覚めたら異世界

「へっくしょん」

「んぁ~・・・寒い・・・体いてえ」

妙に寒いし体は痛いしどうなってんだ?・・・あれ、星空?どういう状況だ。俺は、混乱する頭でどうにか状況把握を図る。

「どうなってんだこれ」

倒れていたらしい俺が無意識に体を起こすと、目の前にドアの開いた車があった。この車は俺の車だな、ここは駐車場か。そういや何か買い物して帰ろうとしていたような気がする。

「俺、倒れた?貧血?脳卒中?」

頭は痛くない。体は少し痛い。硬いアスファルトに倒れてたからかな。見える部分に出血は無し、小さな砂利が皮膚に引っ付いてるけど、打ち身やコブも無いみたいだ。

やっぱり先日の健康診断を受けておけばよかったかな。

「明日、医者行ってくるか」

憂鬱な気分で車に乗り、エンジンをかけた。


「ごめんなさい!」


「え!?なに?」

突然、女性の謝罪が聞こえた。

周囲に人影はない・・・けど、声は近くから聞こえたような。

振り返って車の中を確認するが、やはり誰もいない。

「ここです!ここですよ~」

ふと、見ればカーナビに女性の姿が映っていた。

なんだ、TVか・・・紛らわしい・・・あれ?ナビ以外で使ってなかったのに何でTV++モードなんだ?しかし、よく映ってるな~このナビつけて以来こんな綺麗なTV画面見たことないぞ。しかも、泣き顔の北欧?美人が正座で、謝罪をしているって、どんな番組だよ。

「う~ん?・・・・ま、いっか」 

まあ、何だかよく分からないけど、世の中は分からない事だらけだし気にしても仕方が無い。とりあえず五月蝿いからナビに戻そう。

「すみません! 奈良さん、どうか話を聞いてください」

「な!」

うそだろ?モニターに手を伸ばしたら、モニターに映る女性が悲壮な顔で、名字を呼びながら話しかけてきたよ、どんなホラーだよ、まさか出てくるのか?モニターから出てくるのか。モニターを凝視する俺にかまうことなく、サダ子(仮)は話を続けるけど、俺の耳は素通りしてるよ。まったく頭に入ってこないよ。俺、異常事態とか弱いんだよ、神様仏様、誰か助けて。



「つまり、女神様である貴女様が管理されているこの世界『うん・・・何とか』でおきた戦争が原因で地球が滅びかけたあげく、私がこの世界に召喚されたと・・・」

「はい。私達、管理者はそれぞれ管理する世界を持ちます。この管理世界は単独、或いは複数の管理者で共有できますが、逆に単独で複数の世界を管理することもあります。私は単独で複数世界を管理していたのですが、『******』の知的生物同士の紛争が絶えず、ついに異世界に干渉する魔法の行使を許してしまいました。全ては私の管理不行き届きによるものです。申し訳ありませんでした」

いや、さっぱりわかりません。モニターに映ってた女性が「実は私、異世界の管理者で」とか言い出して色々と事情説明してくれたけど、俺からすれば「ラノベかよ!」って感想ですよ。しかも今、俺がいる場所も地球ではなく『うん・・・にゃらぽてて』・・・ああもう、何で聞くたびに世界の名称が変わるんだ。何かの規制かかってるの?俺の頭が残念って分けじゃないよね?覚えられないような細工をしてるんですよね。


「異世界に干渉する魔法で俺召喚ですか?勇者召喚かなにかだったのですか?」

「いえ、発動された術式を確認したところ、地球側で変換作成された魔力をこちらの魔法装置の燃料タンクに蓄えられるようになっておりまして、一言で言えば爆弾に詰める爆薬代わりとなります」

「・・・・・・・」

まじで?俺、爆薬がわりに異世界に送られちゃったの?

「魔王退治で勇者召喚されたとか、勇者召喚に巻き込まれたとか、戦争で兵士にするために召喚して使い潰そうとかの王道展開ではなく、最初から使い捨ての爆弾代わりですか?」

「はい。そうなります」

「・・・・・」

あまり聞いた事がないパターンだけど酷くないか?召喚なのに最初から生存できない仕組みだよ、そんなあっさりと言われても返す言葉が無いよ。

「・・・今回の事件は・・・異世界をエネルギーに変換して相手への攻撃に使用する物で・・・」

 「え、俺をじゃ無くて、地球をエネルギーにしてですか?どれだけの命を犠牲にしようとしているのか・・・それにその攻撃は火力高すぎませんか」

「いえ、・・・・問題なのは「異世界を」という部分で、これを適切な手順を踏まずに行うと、双方の世界が管理者諸とも消滅しかねない大変危険な行為なのです。あ、ここでいう異世界というのは地球ではなく地球の存在する次元と考えていただいた方が正しいです。例えば、火星に超科学の火星人が居たとして、この火星人が地球を滅ぼしたとしても、同一世界の知的生物同士のいさかいとして処理され、管理者は介入いたしません。他の惑星を犠牲にする事自体には罰則もございません。事実、地球でも宇宙人によって複数の高度文明が滅ぼされていますし、現在も時々人をさらって実験しいる様子が確認されていますが、管理者の介入はございません。計画通り発動まで行った場合はご指摘の通り、火力が高すぎてこちらの星も消滅していました」

 まじか・・・宇宙人居たんか・・・キャトルなんとかやアトランティスやムー大陸も実在したのだろうか。でも、結局は誰かの身勝手で無関係なものが犠牲になったという話しで俺的にはふざけんなと言わざるを得ない・・・いえ、貴女には言えませんよ。私は小心者ですし、異世界とはいえ神に逆らう不敬はいたしません。

 「えっと、それで、なぜ私がこの世界に?」

今の話と俺の状況が繋がらないぞ?世界の危機と、今、俺が置かれている状況の関係が分からん。

 「はい。今回使用された魔法は地球の地表に、起動魔方陣を打ち込み、その魔方陣を起点に周囲の物質を強制的に魔力に転換して『******』に送り込む仕組みでしたが、異常な魔術を感知した地球の管理者様が即座に反射術式による防衛を実施。転送魔術は起点となった地表をわずかに巻き込むだけに留まり双方の世界は事なきを得ました。ですが、例外が・・・」

 「あ、判りました。そこに私が居たんですね」

そのパターンだと絶対に俺がそこに居たよね。

 「はい。魔力に変換されてしまった物質の中に、貴方様が含まれていました」

 「・・・なんとか、帰れませんか?」

 神様だったら何とかして欲しいけど、たぶん無理なんでしょ。

 「残念ながら・・・・・・貴方様を地球に返す術はございません」

ほらやっぱり。まあ、それがお約束ってやつだね。

 「私以外に居た、買い物客や店員は?」

 太平洋でヨットに乗ってた分けじゃないんだから周囲に大勢居たはずだよ?その人たちはどうなったのさ。

 「魔法陣は発動地点を中心に波紋のように広がり、周囲を解析していきます。そして、解析後は、中心部から崩落するように、異世界へ送り込まれますが、解析と崩落の速度差により、中心地付近以外は被害を受けていません。つまり犠牲者は貴方様のみです」

 「・・・はあぁぁ・・・あ、すみません」

 思わずため息が出た。女神様相手に不敬極まりないのだろうけど、でちゃったもんは仕方が無いよね。

 「地球の管理者様からは「巻き込まれた者が見つかった場合は十分な賠償をするように。後でもし、うちの者を粗末に扱ったと判れば・・・」と、おど・・・いえ、指導を受けておりますので最大限の努力をさせていただきます」

うっわ、本音が透けたよ。もう二度と地球に帰れない俺への罪悪感から謝罪してるというより、地球の神にガッツリ締め上げられたからって感じじゃん。地球の神様もなんかここぞとばかりに責めてる感じだし、本当に被害者の為の指導か怪しい気がする。本当は外交的な攻め材料にされたんじゃないのかな。

 「この世界に来たのは俺だけですか」

 「はい。その通りです。それと、送られたといいますが、地球での術式発動時に魔力に変換されてしまった為、その時点で死亡したことになります。他の方についてはデーターの取り込みは行われましたが、魔力変換される前に反射されたため他に亡くなられた方やこの世界に引き込まれた方は居ません」

 「え!?一度死んだの?しかも俺だけ?」

 「はい、地球で一度死亡されています。本来は遺体も残らなかったのですが、地球の管理者方が複製を遺体として用意されたそうですので、地球では心不全等の病死として扱われ複製が葬儀埋葬されています」

 そっか・・・・まあ行方不明よりは良いのかな?家族も諦めがつくだろうし、居ない俺を無駄に探さなくて済むし、保険も入ってたよな。

 「あれ、では今ここに居る私は?」

 「魔力変換時のデーターを基に再構築させていただきました。肉体的には生前と、全く変わらないスペックを保障いたします。サービスで少しだけ内臓脂肪を減らしておきましたよ」

 「強化などは?」

 「現時点ではありません。私の好みで肉体改造してよろしければ、強化しますよ。無論サービスです」

 「いや、いいです。結構です」

 今背筋がソクッとした。何かヤバイ趣味な気がするから全力で遠慮すべし。

 「はい♪ では・・・」

 「いやいやいや、今の『いいです』と『結構』は了承じゃありません。拒絶の意味ですよ、先に「いや」って、言いましたよね、悪質な訪問販売みたいな対応はやめてください」

 「ちっ」

 「そうで「今、小さくちってし」すか、残念です。気が変わったら空に向かって『女神様、良い感じに改造してください』って叫んでくださいね。すぐに対応いたしますよ」

「・・・平然と流しましたね。改造とか言ってるし。強化の事は、一刻も早く全て忘れてください」

マッドだ、絶対マッドだ。倫理観が怪しい。

 「ところで、さっきから気になっていたのですが、あれはなんですか?」

俺は近くの建物に向かって指差して尋ねた。まあ、モニターの中の女神様には見えないだろうから手の動きに意味は無い。しかし、あれはおかしい。俺が知ってるのと違うモノだ。

 「再生にあたり、貴方の拠点を用意させていただきました。あの建物は貴方がなくなられた場所にあった物に私が手を加えた物です。この敷地内の全てを貴方の意思で任意の場所に呼び出せます。詳細はステータスを確認してください。それではそろそろ失礼しますね。奈良健人様の新しき人生に幸多き事祈っていますよ。」

 「え、ちょt・・・」

 引き留める間もなく画面の光が消え女神様も消えてしまった。

 「あ~もう絶対、わざとだよ」

 建物の壁面には大きく『奈良の家』と書いてあるが、それは看板であって表札ではない。

俺の拠点とやらは、某ホームセンターに良く似た建物だった。


 車で軽く平地の駐車場を見て周り、その後、屋上駐車場に上がって外を眺めたが森の中や建物の裏手は暗く、様子を見ることは出来なかった。駐車場もだが何故か店内の明かりが付いていて建物内を移動するのには不自由しなそうだ。何故、電気が使えるのかと不思議に思いもしたが、仮にも女神様が俺の拠点として用意してくれたのだから、ライフラインが生きているのは当たり前なのだろう。車は屋上駐車場の店舗入り口付近に止めた。もし、外敵が来ても最初は下から来るのではないかと予想しての事だ。それから店舗内を見て周り、裏口や商品搬入口などの目の届きにくい場所にある出入り口を確認する。扉やシャッター類は全て閉じて施錠した。一通り見て回ったが店舗内には人はおろかペットショップの動物も居なかった。

 俺は、店舗内の寝具コーナーからベッドや寝具一式を、持ち出して店の事務室に設置し整える。展示品の折りたたみシングルベッドにマットレスと布団を乗せたもので、セミダブルのベッドで寝ていた俺にとっては、狭いし寝心地も判らないが、今日はこれでよしとする。たぶん調べればもっと大きなベッドが、あるだろうけど探すのも組み立てるのも面倒だ。既に外は真っ暗だし精神的に疲れたからもう寝たい。全て忘れて寝てしまいたい。ああ、あの名作アニメの台詞が頭に浮かんでくる。確か『パトラ○シュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだかとっても眠いんだ。・・・寝よ~』だったろうか。いや、最後は少し違ったかもしれない。


 「新しいベッドに新しいシーツと布団・・・・いいね!」

・・・まあ「いいね!」とか良く知らんけどね。よく知らなくても不自由しなかったし。おっさんになると新しいものについていけなくなる事があるって理解したのはいつ頃だったろうか。

 「一応写真撮るか」

それでも、記念というか記録というかそんな気持ちがわいたのでスマホを取り出す。

 「あれ?」

スマホはホーム画面で停止していて何一つ操作できないどころか、電源を切ることすらできなかった。壊れてしまったのだろうかと思い見ていると、時計の表示だけは変化があった。一応動いているので壊れてはいないようだ。

 「まあネットに繋がってるか分からないし、駄目な物は仕方が無いな」

色々と常識が崩壊した後だ、あるがまま受け入れる以外にないだろう。動かない物をいつまでもいじっていても仕方が無いので次にうつる。寝床を整えたら、食事の用意だな。

 「なにこれ、もしかして封印?」

店内の飲食店に向かうが、イートインや飲食店、携帯ショップ等のテナントは、まるで白黒写真の様に色をなくし、全てが石で作られた実物大模型のようになっていた。当然、厨房施設も石化し料理を作れるような状態には無かった。

 幸い、テーブルは問題なく使えそうだが、椅子は固く動かす事もできない。しかし店内には商品のダイニングテーブルセットがあると思い、家具売り場に向かったが周囲に可燃物が多すぎた。周辺を片付けてこの場で使用する事も考えたが、テーブルと椅子を台車で運ぶほうが早いと思い直し、イートインへと運ぶ。夕食はまだまだ先のようだ。

 次に、店内をまわって食料や調理器具を集めなければいけないが、ここはホームセンターだ、生の食材を1から料理するには色々足りないが、レトルトや保存食品は腐るほどある。・・・いや言葉のあやだ、腐っては困る。

 常温で食べられる食品も多々あるが、あえて暖かい物を食べる事にする。お湯を沸かす手間は面倒だが、それは我慢する。疲れているからこそ暖かな物を食べて英気を養う必要がある。先ずは調理器具コーナーからIHコンロ、やかん、鍋などを持ち出し、お湯を沸かし始める。ここでIHを使うなら火事の心配は要らなかったと気が付いたが今さらだ、かまわずイートインで湯の準備をする。水はペットボトルの水を使い、軽くすすいで別のなべに水を捨てる。湯煎で再度使用できるからだ。

 食品のある売り場は店内に点在しているが、先ず目に付いたのは防災用品売り場だ。ここには非常用の備蓄に向いた食料がある。この店にはレトルトパウチでおよそ3年の保存期間を設定されている物が多い。ここで主食を見繕っていくつかカートに放り込む。次に汁物を求め別の売り場に行く、ここはジュースや生米、インスタントラーメンにカップラーメンなどの普通のレトルト食品やインスタントの味噌汁などのある程度保存の利く食品があるので、これも適当に集める。最後に生鮮食品売場だが、残念ながらこの店には野菜と果物しかない。元々別の売り場だったので冷蔵設備が必要な食品は扱えなかったのだろう。残念だが野菜があるだけましと、考えるべきだろう。

さて調理を始めよう。防災品コーナーから持ってきた数種類のご飯類からアルファ米ご飯の一つを選ぶ。

 「山菜おこわ、君に決めた!」

 投げないけどね。

 ご飯の加工保存品といえばレンジで2分という形態が広く知られているが、炊いた状態で保存しているため水分があり重量と保存性に難があった。しかし、米をそのままフリーズドライにした場合、炊き立ての米とは全く違う物になってしまう。そんな欠点を克服したのがアルファ化という処理らしい。まあ素人の俺にはそれ以上は分からないし、手軽で旨けりゃそれで良いと思っている。

 おこわのパックから脱酸素材とスプーンを取り出し、熱湯を注いでよく混ぜる。チャックを閉めて待つ事15分。

 おこわが出来上がるまでの時間で、おかずも用意する。おかずは豚肉のしょうが焼きだ、りんごがきめてらしい。はい、レトルトです。常温でも食べられるけど、軽く温める。お湯は先ほどの鍋をIHで沸かした。付け合せにオニオンサラダを用意したが、調味料は無いので肉のたれを利用する。 最後にねぎを刻んで鍋で味噌汁を作った。

 イートインに設置したテーブルに着き料理を食べ終えた後、ビールとつまみで軽く飲みながらステータスを眺める。


「ステータスかあ・・・これ、どうなんだろうね?」

【鑑定:ステータス】

名前 :奈良 健人 (なら けんと)

種族 :人族(男)

年齢 :18歳

職業 :遊び人

レベル:1/1

生命力:若さ爆発

魔力 :準備中

筋力 :筋トレ推奨

敏捷 :飛ぶ蚊を叩けます

知力 :異界

状態 :満腹・酔い(そう快期)


名前・種族はいい。年齢は若返ってるな。お約束ってやつだ。職業・・・遊び人?・・・・レベルが上がると賢者にでもなれるのか? つか、こんな森で何の仕事があるんだ。それと各項目の評価が意味不明なんだが・・・準備中? 筋トレしろ? 蚊?微妙だな 異界ってなんだ?・・・ああ、満腹だよ。食って飲んで少し酔ってるよ。

 「意味わかんねーよ!!!」

スキル:運転3・ 会計3・ 潜伏2・大工1・ 左官1

魔法 :不可

ギフト:鑑定・ホームセンター

 所持品:サイフ・スマートホン・異世界の布の服と靴

運転って自動車免許の事ですかね。会計は自営業だったからさ、帳簿くらいつけてたよ。大工や左官もたまに真似事をしていたから・・・かな?

潜伏・・・・・・わからん。忍者?スパイ?ちょっと違うかな。悪い事ではないと思いたい。

・・・・あ、まさか昔の・・・アレな店に入る時や、アレな自販機を使う時、人目を避けこっそり潜んでたあれか?あれはネットとか無かった時代なら誰でも通る道じゃね?

そして、戦闘スキルも魔法もないんですね・・・まあ格闘技や武術の心得なんて無いですよ。警察官や自衛官の方なら射撃と格闘技とかつくのかねえ。

あまりの意味不明さに心の中で悪態を付く。ステータスってもっとこうね、違う物じゃないかと思うわけですよ。


ギフトの鑑定で詳細説明でるかな?

【鑑定:ステータスの各項目】

名前 :対象を呼場合等に使用される言葉。前世の名前を使用

種族 :生物としての種を表す

年齢 :誕生からの年数経過

職業 :その者の職

レベル:職業の習熟度

生命力:情報開示不可

魔力 :情報開示不可

筋力 :情報開示不可

スキル:技術の習熟度を表す

魔法 :魔力を用いて万物に干渉する力

ギフト:管理者からの贈り物。ときに世界の理すら超える力。

サイフ:異世界の貨幣が入っている。通貨をレジに入れると両替される。

スマートホン:対応準備中。現在は地図機能のみ提供

異世界の布の服:異世界の作業服。特別な機能は無い。


 「はぁ~~~~~~」

 ・・・色々と突っ込みどころが多すぎてもはや突っ込む気も失せ、長く息を吐きかぶりを振って窓の外に視線を向ける。

 イートインから外を眺めれば、駐車場を照らす明かりの先に森が見える。

 女神様の話しによれば、今いる場所は例の戦争をしていてやらかした国の跡地らしい。一度更地・・・というか爆発で全て無くなって、巨大隕石の後みたいな地形になった場所らしいが、俺を再生するために50年程かけて森林として再生したとか。

 ・・・別の場所に俺を再生するって、考えはなかったのだろうか?


 「・・・・ん? なんだ?」

 照らされた駐車場の先、森のなかに何か動くものがいた。


 「何か四足獣っぽい?」

 ・・・?

 でかい・・・

 頭のなかで「でけえぞ、あれ! ・・・トラだよ、トラ!・・・ バリケードを作って・・・ほんとにトラか?・・・鹿でした!」

と、謎の会話が聞こえた気がしたが、今はそんなバカなことを考えている場合ではなさそうだ。

やがて、暗がりから何かが現れた。

 「熊?」

 四足でずんぐりとした体格。距離があるために大きさはよくわからない。

 そして、推定熊はゆっくりと駐車場を歩きまわり照明の電柱を前に立ち上がり、前足を電柱に打ち付けた。

 バガン!!・・・・ゴゴ~~~ン!!!

 「な!!」

 駐車場の一部が闇に染まる。照明の電柱が中程で折られたように見えた。電線の無い電柱は支える物も無く倒れ、周囲に轟音を響かせた。

 「ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 異世界の森とホームセンターに大気を振るわせる獣の吠え声が響き渡った。


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