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掌編小説集3 (101話~150話)

悪魔と天使

作者: 蹴沢缶九郎

信号を渡っていた男が、横断歩道の途中で一万円札を拾った。拾った一万円札を交番に届け出るか悩んでいると、男の頭の中に悪魔が出現し言った。


「正直に届け出る必要なんかない。盗んでしまえ。」


男がそうしようかと思った所へ、今度は天使が出現し言った。


「盗んではダメです。交番に届けましょう。」


悪魔が天使に言う。


「後から来たくせに余計な事を言うな。大体落とした奴がまぬけなのだ。」


「悪魔は黙りなさい。落とした人はきっと今ごろ困っていますよ。」


男の脳内で悪魔と天使が口論を繰り広げ、男はどうするべきかしばらく考えた後、


「やっぱり交番に届けよう。自分が逆の立場なら嫌だもんな。」


と、天使の意見を聞く事にした。


「そうです。それで良いのです。」


天使は納得の表情で頷いた。しかし悪魔は慌てる様子を一切見せず、勝ち誇って言った。


「…だが今回は俺の勝ちのようだ。」


瞬間、車道の真ん中に佇んでいた男の身体をトラックが跳ね、悪魔は亡くなった男の魂を地獄へと連れ去っていった…。

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