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俺の名前は風間慶太。今は地方から出てきて都会で会社員をしている。
毎日毎日パソコンに向かって書類を整理するのが日課となっていた。
「風間さん、お先失礼します。戸締まりお願いしますね。」
声が聞こえて手が止まった。
「はい、お疲れ様です。」
今日もまた最後の一人になってしまった。
時計を見ると8時半を過ぎていた。
「この書類を片付けたら俺も帰るか。」
仕事を続けようとパソコンに向かった時ロッカーの方から微かに自分の携帯の着信音が聞こえた。
気になったのでロッカーから携帯を取り出して見ると大量の着信とメールが入っていた。
着信とメールは母さんからだった。
件名 連絡ちょうだい
本文 おとうさんがたおれたからすぐにれんらくちょうだい
いつものように全部ひらがなだったが、そんなことを気にしている場合じゃない!親父が倒れただって?
俺はすぐに母に電話した。
何回かコールがなったあと母の涙混じりの声が聞こえた。
「おとうさんが・・・」
数秒の沈黙のあと俺から声をかけた。
「親父倒れたの?いま病院?」
すると突然声が変わった。
「慶太か」
この声に聞き覚えがあった。おじさんだ。
「おじさん?親父が倒れたって母さんからのメールに書かれてたけど今病院?」
するとおじさんは経緯を教えてくれた。
いつものようにお風呂に入った親父がなかなか上がってこず、母が気になってお風呂を覗いたら、目を閉じた状態で浴槽に浸かっていたが体を揺すっても反応がなかったため救急車を呼んだらしい。
病院の先生によると命の別状はないが、最悪の場合植物状態になる可能性がああるとのことだそうだ。
すぐに俺は机を片付けながら上司に電話して事情を話した。数日休みをくれるとの事だった。その後、急いで家に帰り、かばんに数日分の服を押し込み最終の新幹線で実家に向かった。
駅に着くとおじさんが迎えに来てくれたいた。
こうして俺は病院で集中治療室にいる親父に合うこととなった。