6/11
「君」と水と
私はその次の日、学校に行かなかった。
母親に心配された。父親に「行け」と言われた。
上っ面の心配も、世間体を気にした発言も自分の親ながら情けないと思った。
私は自分の部屋に閉じこもった。
最初は何もしたく無くてずっと寝てた。
何かを話すことも聞くことも見ることも。
感覚を使うことを自分で拒否した。
そして1週間が過ぎ、私はパソコンでチャットやブログを書くようになった。
やっぱりどこか人に触れあいたかったのかもしれない。
そして「君」に出会ったんだ。
「君」は私が息苦しくて仕方ないことをブログから読み取ってくれた。
誰も気づいてくれなかった私の想いに気づいてくれた。
私は心の底から嬉しかった。どこの誰かもわからない「君」がただ愛おしかった
枯れたこの世界に枯れた私の心に唯一水を与えてくれた。
私はただ君がいればそれでよかった。
君だけが私のすべてになっていた。他はもうどうでもよかった。